病気の原因は 複雑多岐 千差万別 である。
なぜ、自分を守る免疫が、自分を攻撃するのようなことになるのか。
その原因は、免疫に攻撃されてしまう自己と、
攻撃する免疫の両方に関係している のだろう。
以下には 複雑怪奇な 自己免疫疾患についての
比較的納得しやすい 考え方=理解の仕方 をまとめておく。
この ページだけ読めば(他のところは) 読まなくてもよい。
前回も書いたように、 自己免疫性疾患の原因 について最も妥当な解説をしているのは<メルクマニュアル家庭版>です。 (ためし、に
自己免疫疾患の ページを 当ってみて下さい。)今のところこれ以上の、 <説得力のある説明>をみたことがない。
以下のような4つのケースが書かれている。 このうち、2と3は同じことを言っている。
たまたま、生体物質のような異物が侵入したり、生成したりすると、免疫システムがすぐに刺激を受け、生体物質や細胞をとらえて破壊し始める。わずかに変化した自己を容赦なく攻撃するということである。免疫の感受性が異常になったと言えるかもしれない。
2の説明は幅広く、一般的な解説として納得できるものである。
1. 正常な状態では免疫システムには見つからないはずの物質が、事故や病気で血流に放出された場合。 たとえば、眼を強打すると眼球中の液体が血流中に放出され、この液体が免疫システムを刺激して攻撃を引き起こす。
2. 体内の正常な物質や細胞がウイルス、薬、日光、放射線などによって変質した場合。 変質した物質は免疫システムには異物とみなされる。たとえばウイルスは体内の細胞に感染して細胞を変質させ、その細胞が免疫システムを刺激して攻撃を引き起こす。
3. ある体内物質に似た異物が体内に侵入した場合。 免疫システムは見分けがつかず、異物だけでなくその体内物質も攻撃してしまう。
4. 抗体の産生をコントロールする細胞、たとえば白血球の1種であるBリンパ球が機能障害を起こし、正常な体内細胞を攻撃する異常な抗体をつくる場合。
要するに、自己免疫疾患のはじまりは、異物の刺激にあわてて、適切な抗体を作るゆとりがなくなってしまう(強すぎる抗体)状態 であると言えます。