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2013年10月10日木曜日

Selective DDR1 Receptor Tyrosine Kinase Inhibitor


Abstract Image



We identified a mutation in the hinge region of DDR1, G707A, that confers >20-fold resistance to the ability of DDR1-IN-1 to inhibit DDR1 autophosphorylation and can be used to establish what pharmacology is DDR1-dependent.


A combinatorial screen of DDR1-IN-1 with a library of annotated kinase inhibitors revealed that inhibitors of PI3K and mTOR such as GSK2126458 potentiate the antiproliferative activity of DDR1-IN-1 in colorectal cancer cell lines.



DDR1-IN-1 provides a useful pharmacological probe for DDR1-dependent signal transduction.


2013年9月8日日曜日

供楽と供薬の提案 (2)

アルツハイマー 補助療法剤 の開発提供(2)

 Plan for TOYOPL: 2013

      

《 供楽供薬 》

 

1.               口ではなく 手で供薬

2.               直接 手 で触れる供薬

3.               手作り知識 で理解を深める供学

 

実施例:

褥瘡対応のための 天然素材クリ~ム:

 

天然の抗酸化剤である2成分から 新合剤 を調製する。重要な成分は 

うこんの成分=クルクミンのアセテ~トと 柑橘成分のフラノクマリン

を組み合わせるという点である。

 

抗酸化成分による 細胞保護 と同時に、細胞上皮での酸化亢進を抑制し、

炎症の拡大や アレルギ~の持続につながらない保護を行うことである。

 

これらの成分は、天然成分であり、介護者がクリ~ムを塗りこむ操作によっても、

双方の皮膚刺激効果 が期待できる。

供薬者にとっても メリットが期待できることになる。

 

さらに、

この 双方向クリ~ム剤にありふれた 血管拡張薬 を加えることで、

皮膚の血流を増し、組織の硬直を防ぐような 積極的な治療効果 をねらうことも可能である。


 

 

☆ AD 治療促進剤 の基本コンセプト: 

  《 供楽供薬 》

 

1.               口ではなく 手で供薬

2.               直接 手 で触れる供薬

3.               手作り知識 で理解を深める供学

 

 (基本指針: 共同歩調、行動供力)

供楽と供薬の提案 (1)

アルツハイマー 補助療法剤 の開発提供

 Plan for TOYOPL: 2013


 

趣旨:

 現代国民病・認知症 (アルツハイマ~病:AD)への実践的対策としての

介護と改善を 楽にする補助的な治療促進物質 または 治療促進用具の提案、提供

を目指した実用的研究を展開する。

 

 

AD 治療促進剤 の基本コンセプト: 《 供楽供薬 》

 
 (患者を見守る 補助療法)

1. 口ではなく 手で供薬

2. 直接 手 で触れる供薬

3. 手作り知識 を共有・供学

 

 
 
 
 

(先端化学で拓く 創薬の 道)

4.        最先端 探索研究 への 供薬 

(新素材提供; リポジションからの創薬)

 

5.        先端 創剤プロセス への 関与

(新造薬; ジェネリック・イノベ~ション)

 
 
4.は 同志社大学・杉本八郎教授との 共同研究 を展開する。
 
5.は DNPファインケミカル・宇都宮との 技術開発 を目指した連携を行う。
 
 
 

 

 (基本指針: 共同歩調、行動供力)

2013年7月13日土曜日

厄年、お祓い、抗年期(男の場合)

夕日を 追いかけていくのが 男の一生

男の更年期障害はまず 厄年。

42歳+5歳でやってくる。

そして 何気なく 気にしていると そのうち

通り過ぎていく。



僕は 呼びかけたりは しない

傍らを 過ぎ行くものを

僕は もう青春も 精旬も

過ぎて行った ことを知る。

 

それから10年後 またやってくるもの

忘れていた 厄年がくる。

何かしないと いけない。

そうだ お祓い に行こう。

夫婦 そろって 家族そろってが 良いけれど。

自分ひとりでも 十分だ、自己満足だ、プラセボだ。


そしてまた10年。

60過ぎに なってしまった。

還暦も 終わった。

人生の 墓場 を楽しく生きよう

男の抗年期。

 

もはや 失うものは もう 何もない。

失った ところで どうと いうこともない。

なくしたツキは 大きかったか

しかし それは 分不相応。

 

 

歩き出そう あの山へ

登り始めよう 火の山へ。

迷うことなく 歩みを進めろ。

石ころ、砂利道、地獄道、

そんなものは 屁でもない。

 

 

失うものも 何もない

捨て去るものも 何もない。

傍らにいる 者たちよ

俺は また 追いかけたりは する。

沈む夕日を 追いかけて

俺はまだ 追いかけている。


ここでやめてたまるか。
抗年気の男の 生きざま、
男の 死にざま である。


子宮で かんがえることは できないのだ。
あたりまえだの クラッカ~ くらったか~。
そして 今日から 僕は ただの 男:


http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=Hzth_yi33e0&NR=1

 


2013年7月12日金曜日

基礎問題集(ホルモン ②)




     薬とその副作用の組合せで 正しいのはどれか。

 


1.
 抗ヒスタミン薬──眠 気
2.
 スルホニル尿素薬──咳 嗽
3.
 非ステロイド抗炎症薬──骨粗鬆症
4.
 アンジオテンシン変換酵素阻害薬──尿 閉

 
 
(ステロイドとNSAIDSの副作用は 広範囲に及ぶ)

 

 


 




     抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を抑制 するのはどれか。


 

1. 血圧 上昇
2.
 循環血漿量 減少
3.
 血漿浸透圧 低下
4.
 血中ナトリウム値 低下


 


(バソップレッシンは 尿量=血圧 に影響を与える.
尿量の減少を起こし、血漿量の維持、浸透圧の上昇 をする。)


 

 



     副腎髄質ホルモンの作用で正しいのはどれか


1. 抗炎症作用がある。
2.
 気管支を 拡張する。
3.
 血糖値を 低下させる。
4.
 血中カリウム値を 低下させる。

 
 
 
(副腎からは 髄質ホルモンと皮質ホルモンの両方が分泌される)
 

 

 

 

 

     体の変化とそれによって増加するホルモンとの組合せで正しいのはどれか.

 
 
 1. 血糖値の 上昇     ────グルカゴン
2.
 血清ナトリウム値の 低下────アルドステロン
3.
 血清コレステロール値の 上昇────甲状腺ホルモン
4.
 血清カルシウム値の 低下  ────副甲状腺ホルモン


 
(血糖値は インスリンと グルカゴンにより調節される)

 

 

 


     初経を発来させるホルモンはどれか。

 

1.卵胞ホルモン     2. 抗利尿ホルモン
3.
 副腎皮質ホルモン   4. 甲状腺刺激ホルモン

 
 
 

(副腎皮質ホルモンは 2次性徴 とは直接関係しない)

 

 


2013年6月15日土曜日

箱根 強羅 同窓会 1129

◆ 72P同窓会:11月29日(金) 19:00~

今年還暦の皆さんも多い 72P同窓会

☆箱根・強羅の ホテル リゾ~ピア箱根  = 一泊で行います。 

山本香料社長: 山本芳邦様のお世話です。)

 


☆ 当日、強羅からは 送迎バス が出るそうです。

10月1日 までに ご出欠 必ずお知らせ ください。

尚、変更は 11月1日 まででお願い致します。

080-3696-7817 (=ケイタイ) 

   またはこの ブログの返信で 結構です。




☆ 思い起こせば、なつかしい青春。

 


薬学部に入ったのが 1972年、石油ショックの直前だ。

下宿生活で トイレット・ペ~パ~の買い占めをするとは夢にも。 

 

ガロの『学生街の喫茶店』が聞こえた春。『ひまわりの小径』はチェリッシュの夏。拓郎も 『春だったね』、や 『旅の宿』を歌った。そしてトドメは陽水の 『限りない欲望』。

 

映画 『ある愛の詩』 にはフランシス・レイの旋律が流れ、若いエルトンジョンの旋律が 『フレンズ』 の中に開花していた。


劇画 とくれば、『同棲時代』。

『刑事コロンボ』 もNHKで放映され 皆んなが見た。


 
☆ { 風よ運べよ このたより }
http://www.youtube.com/watch?v=o3RItYxKZOo


☆  < ぼくにまかせて下さい >
http://www.youtube.com/watch?v=867hYofbAKw


☆  < 旅人よ >
http://www.youtube.com/watch?v=YWchSoWXBuE


☆  < よろしく 哀愁 >
http://www.youtube.com/watch?v=pJb5C5LJpSw



まだまだ あるでよ~。

本ブログ: 

ふるさともたない あのひとに

+  Noekies Electric Guiter &  Sitar



を見てください。
また、ご質問は torihiro08@gmail.com
まで。



2013年1月18日金曜日

インフルに漢方を ②

◆ 漢方は セルフ・メデイケーション ?


インフルエンザが猛威を振るう季節に、病院に行くのは危険です。

 

病院でまずインフルエンザの検査、診断を受け、それから大急ぎでくすりをもらい、飲むのは 時間がかかりすぎます。熱が出てから病院に行き、半日近くかかって、やっとくすりがもらえます。 抗インフル薬は、飲むタイミングが遅れると、効きも悪くなります。

 

 

一方、漢方薬は今、第二類医薬品として、簡単に薬局で購入できます。ヤバイ と思ったら、即漢方を買いそして寝る。早めの対応は予防医学では、 2次予防 と言われています。

 

 

なる前に飲む、 休むむ前に飲む。 これは 自己管理のためのセルフメデイケーションと言えます。セルフメデイケーション=自己処方 ということになります。

 

インフルには3つの選択肢があります。

① 麻黄湯  ② 葛根湯  ③ オタネ人参 エキス

 

麻黄は、現場の薬剤師からのアドバイス、 葛根湯は庶民の常識、オタネニンジンは、私の知る薬物代謝の第一人者の先生からのアドバイスです。




インフルエンザの基礎知識①

◆ インフルエンザ Q&A



  インフルエンザについてはさまざまな疑問質問があるかと思います。

そのような代表的な質問をまとめたものが、厚生省HP にあります。

大変参考になります。

 

 

しかしながら、However  私はワクチン接種と抗インフルエンザ薬の使用については、反対です。

 インフルエンザ対策には、もっと痛くない、安価で効果的な方法があります。特に、簡便な漢方は大変有効な チョイス になると思います。

ぜひ、試してください。

 

① 麻黄湯

② 葛根湯

③ オタネ人参を含むもの




 国は、毎年高価なワクチンを用意(輸入)しています。
 しかしそれが使われなかった場合には、すべて 廃棄されます。

 まったくの税金のムダ使い です。
 桝添厚生大臣の時には、いわゆるパンデミック騒ぎがあり、とてつもな 
 い量のワクチンが輸入され、そして使われず残った大量のワクチン 
 が、廃棄されました。十億単位の税金が使われないワクチンとともに、 
 消えました。

一方、群馬=前橋医師会は インフルエンザワクチンは効果が認められない、という啓蒙的な調査結果を公表しています。


ワクチン騒動は、インフルエンザ予防というよりは政治家のパホーマンスと、無知なマスコミのアホーマンスによるかもしれません。日本は世界有数のくすり無駄使い国となっています。 くすりは、輸入超過の際たるものであるということに気づいて下さい。

TPP解禁後には 黄金の薬漬け大国 になるかもしれません。
くすりはなくても 子は育つ という記事が 新鮮でした。




2013年1月16日水曜日

インフルに漢方を ①

◆ 麻黄湯 が インフルに効く!



麻のつくくすりは、前回の大麻だけではありません。麻黄湯 という漢方があります。


インフルエンザには タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬が有効です。しかし、抗ウイルス作用に加えて免疫応答を調整することでも効果を発揮する漢方が見出されている。順天堂大学医学部の内藤先生らは、麻黄湯にタミフルなどと同等の効果があることを2012年に見出している。

 

内藤先生へのインタビューが出ていたので、ぜひとも 参考にして下さい。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/201202/523756.html






2012年12月27日木曜日

免疫事故 ①

◆ 攻撃的な免疫


 

ワクチンは人類が開発した画期的な医薬品であり、免疫作用を巧みに利用している。

すなわち、病気の原因となる病原体を弱毒化して病原性をなくし、安全な抗原として体に入れ、免疫を活性化してのぞみの抗体を作らせるものである。

病気のあるところ、ワクチンの助けあり、である。


もともとは、E. ジェンナーがウシの病気(牛痘)を利用して成功した天然痘ワクチンに始まり、BCG、ポリオワクチンなどのワクチンなどではその恩恵を受けていない人はいない。

BCGはもはや病原性がなくなり、抗原性だけを示す大変優れたワクチンになっている。しかし、すぐれものばかりでないのがワクチンの怖さであることを、以前のコラムで強調した。

 

 

外敵から身を守る基本としての免疫機能では、自分と異なる外敵(異物)を抗原とみなし、抗体という武器を作って反撃する、これを抗原抗体反応と呼ぶ。この免疫機構こそが、病気から身を守る自前の武器である。免疫が、タイムリーに働いて、外敵をやっつければくすりはいらないし、癌細胞もやっつけられる。

 

 

しかし、この便利な免疫が何かの原因で、壊れてしまうと、癌やさまざまなやっかいな病気になる。その総称が、以前このコラムでも取り上げた、自己免疫疾患である。




感受性の高い免疫が体に入ってきたウイルスをやっつけようとして、ウイルスが感染した臓器までも破壊してしまうような 過剰攻撃をするのが自己免疫疾患と言うことができる。
具体的な病名として有名なものは、膵臓で起こる1型糖尿病、甲状腺で起こるバセドウ病や橋本病、膠原組織で起こる膠原病やリウマチそして、全身性エリテマトーデスなどがある。
(過去のコラム: 自己免疫疾患、やっかいな病気 参照)


ここで改めて議論を深めたいのが、自己免疫疾患の 原因(スイッチ)である。


自己免疫性疾患の原因 について最も妥当な解説をしているのは、メルクマニュアル家庭版である。化学の目で、なぜこの病気が起こるのかをよりはっきりさせるために、このコラムではさらに探求を進めていきたい。なぜ、免疫が狂ってしまうのか、基本となる 抗原抗体反応 とはどんな反応なのかを考えていきたい。




2012年10月29日月曜日

化学事故 3

KCl事故報道

 

基本操作を無視した事故例がある。塩化カリウム(KCl)は塩に似た無機化合物で、それ自体では特にどうということのない化合物である。低カリウム血症になった場合、静脈注射によってKCl溶液が注射される。このKCl溶液の注射を任された看護師が起こした事故である。

 

2002年から2012年の間で,高濃度塩化カリウム製剤の事故は10件以上報道されています.その原因の多くは,「点滴ボトル内に塩化カリウム製剤を混ぜる」ところを,誤って「直接投与」してしまったことによる医療事故でした.高濃度塩化カリウム製剤関連の医療事故をいくつかピックアップし,以下にまとめました.

 

 

    事故概要:

 

報道日 2012.3  准看護師(23)が,入院中の80代の女性の低カリウム血症に対し,塩化カリウムを希釈するべきところ原液を点滴.4日後に患者は心不全で死亡.准看護師は書類送検された.

 

報道日 2007.2.  看護師(22)が入院中の60代の男性患者に誤って塩化カリウム製剤を原液のまま直接静注し,直後に患者が心不全で死亡した.病院はミスを認め遺族に謝罪し,看護師は書類送検された.

 

報道日 2006.6.24  主治医が60代の脳梗塞患者に塩化カリウム原液とビタミン剤を混ぜたのち24時間かけて点滴するように看護師(21)に指示したところ塩化カリウム40mLを側管より注入.その直後心停止.蘇生治療を受けたが5時間後心不全にて死亡.病院はミスと死亡との因果関係を認め,謝罪した.看護師は書類送検された

 

 

報道日 2004.4 塩化カリウムを点滴に混ぜて患者に投与するように指示された女性看護師が,誤って直接静脈内に投与し患者が死亡.

 

 

報道日 2002.6.  「医療ミスで入院患者を死亡させた」と,警察署に届け出があった.死亡したのは60代男性で,点滴容器から体に注入すべき栄養剤の一種「塩化カリウム」を,誤って直接体内に入れたところ,容体が急変して死亡したという.同署は業務上過失致死容疑で職員から事情聴取するなどし,医療ミスの原因や詳しい死因などを調べている.同署は男性の主治医(34)と内科の看護師(21)から,同容疑で事情を聴いている.

 

 

 

化学事故 2

実習事故


ここでは3つの典型的な事故例を挙げて、その原因の解析を行う。一つ目は、体調不良の学生が起こした事故、二つ目は分かりきった基本操作を無視した(死亡)事故、三つ目は、新聞紙上をにぎわす爆発事故の裏にある管理体制の問題点 などである。これら三つの事故は、化学反応中での暴発事故ではなく、基本的扱い、あるいは保管中の事故であるところがポイントである。十分な安全教育が行われているために、そこで触れない部分が新たな事故の起きる場になっている。

 

初めの例は、実習の出席日数が足りなかったS君が特別に予備実習を受けた時のことである。本来の実習であれば複数人がグループになっているのが、特別の補講実習であったために、S君が一人で全行程を行うことになった。

 

この日S君は朝食抜きで大学に行き、(補講実験であるため)朝から実験を始め、夕刻近くまで実験室にいた。さらに悪いことに、実験を早く終わらせようと、昼食も抜いたのである。その日の夕刻、実験も終盤にさしかかった時、廊下へ出たS君は突然、意識を失いそのまま後ろ向きに倒れ、後頭部を強打した。廊下には血が流れ、S君は救急車で近くの専門病院に運ばれた。精密検査の結果、致命的な状況には至らないことが分かったが、食事をとっていない事を初めに言わなかったために、脳神経外科的な様々な検査を受ける羽目になった。S君は傷の手術を行い、約1週間の入院後に退院した。入院中S君は、食事抜きでの1日実験がきつかったことを明らかにした。

 

これは、補講実験という特別なものであるが、研究生活に入る前の学生実習では不慣れなために、予想以上の(個人差のある)ダメージがあることを注意しなければいけない。



化学事故 1

なぜ事故は尽きないのか



化学事故は尽きない。大なり小なり、誰しもが経験するものであるが、決して気分よく話のできるものではないし、真実についてもはっきりしないことが多い。事故を防ぐためには、この辺のあいまいさを振り払いたい。事故を玉虫色にして片ずけてはいけない。

 

最近では、十分時間をかけた安全指導が行われており、実験操作法の解説書や、事故例をまとめた清書なども豊富にある。にも拘らず、事故は尽きることはない。本来、考えたくはない事故のことを意識するか、しないかの違いが、悲劇につながったことは、先の福島原発事故でも分かる。実験の初めに、事故について考える癖をつけることが、事故を未然に防ぐ最良の手立てである。

 

この章では、過去の事故例を解析し、共通の原因、端緒を拾い上げることを念頭において解説するが、特に実験者側の心理まで突っ込んで考えておきたい。これが本章の特長である。何を考えて、何を考えなかったか、を検証してみたい。

化学事故の実例とその原因については、次の節で詳しく述べるが、大まかには1.実験者側のコンデイション不良; 2.実験環境(計画)の不良 のいずれかが含まれている。ここで特に重要なことは、実験者のコンデイション作り、即ちメンタルな部分も含めた実験者の体調である。体調不良で実際にどの程度の事故になったかは、次節で解説する。どれだけ厳密な注意をしても、無理をしたり、あわてて実験すれば、もともこもないのである。

 

学習実験では、指導者側も事故のことばかりを表にだせない。正しい操作法を強調するのが常である。しかし学習実験などは特に失敗する経験を積むことも必要であり、指導者側が実験のスピードや結果のみで評価をしないような姿勢も大事ではなかろうか。失敗する実験例を記し、それを考えて正しながらやるような実験書があってもよいのではないか。





2012年9月26日水曜日

くすりをえらぶ時代 ②

◆ TDM (薬物治療モニタリング)



薬物治療モニタリング(TDM) はくすりの追跡調査です。

 

個々の患者の血中薬物濃度を測定し、望ましい有効治療濃度に収まるように用量や用法を個別化する医療技術です。

わかりやすく言うと、くすりの 匙加減(さじかげん) のための調査です。

 

薬をさじ加減するにあたり,客観的根拠として血中薬物濃度を参照することになります。 TDMが臨床的意義を有する前提条件として

 

◆ 信頼できる(簡便な)測定方法が確立されている
 

◆ 薬効・副作用を発現する分子種(新化合物または代謝物)が同定されている
 

◆ 血中濃度と薬効あるいは副作用発現が相関する
 

◆ 有効治療濃度域が 狭い
 

◆ 体内動態の個人差が大きい
 

◆ 種々の要因(肝機能,腎機能,年齢,薬物相互作用など)により体内動態が影響を受ける
 

◆ 投与量と血中濃度が比例せず非線形な薬物動態を示す
 

◆ 副作用が重篤 である。          などがあります。
 

 

TDMの概念は

ジギタリス製剤,免疫抑制薬,抗てんかん薬 を中心として広く医療に定着している。

 

薬を処方するうえで さじ加減は欠かせないが,その科学的根拠を与える検査値として血中薬物濃度の重要性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くすりをえらぶ時代 ①

◆ 乳がんの 個別化薬物治療


乳がん治療の進歩はめざましい。ちょうど今月のNHK番組 今日の健康 でわかりやすい解説が 放送されていました。 



個別化薬物治療 とは、病気のタイプ(個人差)に合せたくすりの使い分けである。病気(癌)のタイプをしっかりと調べ、その(癌細胞の)タイプにあったくすりをもって治療に当たるという戦略である。

 

最近は、乳がんの(5つの)タイプによって、ホルモン剤分子標的治療薬抗がん剤(化学療法剤)を単独あるいは組み合わせて用いる個別化治療が行われています。がん細胞を詳しく検査し、細胞がホルモン受容体やHER2たんぱくを持っているかどうか、また、乳がん細胞がどのくらい活発に増殖しているかを示す「Ki-67」の値が高いか低いかを調べることによって、タイプ分けをします。

例えば、ホルモン受容体あり・HER2たんぱくなしの場合、Ki-67の値が低いと「ルミナールA型」と呼ばれホルモン剤(抗エステロゲン剤)が有効、Ki-67の値が高いと「ルミナールB型」と呼ばれ、ホルモン剤と抗がん剤(化学療法剤)が有効となります。

 

 

ほかにも組み合わせにより「トリプルネガティブ型」「ルミナールHER2型」「HER2型」に分けられ、それぞれのタイプで、適切な薬の組み合わせが異なります。





2012年9月18日火曜日

甲状腺と膵臓 ①

◆ 甲状腺機能亢進症


バセドウ病は甲状腺の機能が亢進し(すすみすぎ)、甲状腺ホルモンのチロキシンが出過ぎてしまう病気です。甲状腺刺激ホルモン(TSH)の受容体に対する自己抗体ができてしまうところが、免疫の異常です。

 

TSH受容体が非自己として攻撃を受け、生成した自己抗体が常に受容体を刺激し続けるために、甲状腺ホルモンが出過ぎるわけです。

 

1型糖尿病の場合は、インシュリン分泌細胞が、免疫システムの攻撃を受け破壊されます。従って一生インシュリンが出なくなるわけです。



 

2012年9月17日月曜日

患者学のすすめ ③

    患者が元気になる患者学


 ジャーナリスト柳田邦男氏には「元気が出る患者学」(新潮新書)という一冊があります。患者学の目指すところは、まさにこの一点です。患者が元気になるというのは、(鎌田實医師が言う)理想の医師像です。

 

患者自身が、患者学を学ぶことによって元気になるというのは、自分で作る希望です。と同時に、コメデイカルの皆さんが、一緒に患者学をまなぶというのもどうでしょうか。もっと、患者学という言葉を広めて、「患者よ患者学を学べ、そして元気を出せ」と言いたいと思います。そのための患者学のテキスト作りを目指したいと思います。

 

このブログでは患者学の立場から役に立つくすりの話をしたいと思います。

 

最後に柳田氏の本の前書きを載せておきます:

 


 『元気が出る患者学』は、そういう「考える患者」への意識革命のために、四半世紀余りの取材と身近な体験からエッセンスを抽出して、具体的な心得と方法を提起したものである。同時に医療者にも読んでもらえたなら、「元気」の輪はさらに大きくなるだろう。


http://www.shinchosha.co.jp/book/610017/  

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%81%AB%E6%89%93%E3%81%A1%E5%8B%9D%E3%81%A4%E6%82%A3%E8%80%85%E5%AD%A6%E2%80%95%E6%9C%AB%E6%9C%9F%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E7%94%9F%E9%82%84%E3%81%97%E3%81%9F1%E4%B8%875000%E4%BA%BA%E3%81%AE%E7%B5%8C%E9%A8%93%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6-%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B0-%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4408395722
 

患者学のすすめ ②

◆ 主語は患者


 病気はじわじわやってきたり、ある日突然やってきたりします。やはり明日は我が身と言えます。患者になった時には、戸惑わない知識を身につけておくことが重要で「患者を生きる」ヒントが必要です。


 患者目線で見た病気の知識や対応法は、医師の冷たい診断言葉を和らげる力になるものです。このような知識をまとめたものが「患者学」で患者に力を付けるのが患者学です。患者として勉強しておくこと、病気に立ち向かう知識を付けること、つまりは医師任せにしない医療の受け方が、患者学の原点です。


患者を大事にするという場合の主語は、医師や看護師、薬剤師ですが、患者学では、患者自身が主語です。従って、患者を鍛える学問と言えます。即ち、患者目線で学び、前向きに病気と向かう指針や心構えを体得するヒントが、患者学の入口ということになります。

 

患者学のめざすところは、Patient -oriented Medical Care ではなく、What Patient must Do With Doctorsということになります。

 

(患者学のすすめ ③ に続く)

患者学のすすめ ①

◆ 患者を生きる

 

日本人の2人に1人はがんになると言われ、3人に1人はがんで死ぬと言われています。

 

生活習慣病になるともう10人のうち、6,7人が患者になってしまいます。

長寿社会の今日、患者として生きるということは誰でも経験することです。

 

患者としての体験から得られる医療知識は大変役に立つものがあります。朝日新聞には「患者を生きる」というコラムがあります。読売新聞でも「医療ルネッサンス」というコラムがあり、最新情報に触れることができます。次から次に話題がつきないというのも面白いと思います。

 

医療関係の皆さんは、こういう記事は必ず読まれている事と思います。それは、患者さんを知りたい、助けたいという気持ちからだと思います。

 

ここに紹介する「患者学のすすめ」は弱い患者さんを手助けしようとする指針ではありません。患者よ甘えないで強くなれ、おもいきりアクテイブな患者になろう、そうしないと治らないぞ、というエールのこもったメッセージです。そして、主語は患者です。

 

(患者学のすすめ ② に続く)