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2014年2月26日水曜日

アリセプトへの道=創薬インタ~シップ講義資料:0227

タクリンから ドネペジル(アリセプト) への道

(杉本桶狭間創薬:第2弾)


 

背景(過去): タクリンは1931年(戦前)に、抗菌作用を目的として合成された。その後、タクリンは1986年(戦後40年)に、中枢疾患治療薬としての臨床試験結果が報告され、1993年に至り、FDAはタクリンをAD治療薬として世界で始めて承認した。

しかし、肝機能障害のため現在は使用されていない

 

タクリンの承認から3年後、

1996年にFDAはドネペジル(アリセプト)を 新たなアルツハイマ~(AD)治療薬として承認した。



ドネペジルは従来から知られていた化合物ではなく、
新規な構造を有する 世界初のAchエステラーゼ阻害剤=分子標的薬である。

 

●シード物語: ドネペジルは 分子標的薬の開発 を理解するには格好のテキストである。



ドネペジル開発の端緒になったシード化合物(1)は



偶然にも、薬理担当者からの アドバイスによって発見された。即ち、シード化合物は、別のPJで合成されたものだが、ラットにおいて 縮瞳、流涙などのAch作用が認められていた。


 

シード化合物(1)の誘導体を約100種類ほど合成すると、
Ach阻害作用が70倍も強くなった化合物が見出された。

しかし、インビトロで高活性であったものの、
インビボではでは、作用が認められなかった。

 

●リード物語(その1): 

ここで、

評価系の酵素をウナギから ラット由来の酵素に変えたところ、明らかにAch阻害作用は低く、1/40ぐらいの値だった。


そこで、ラットを使ったインビトロ系で、3年間に700程度の化合物が合成され、


その中から、最強のAch阻害剤(2)を見出すことができた。

リード化合物(2)は初めのシード化合物(1)と比べ、2万倍以上強い阻害活性を示したが、大きな問題点が見つかった。


 

●リード物語(その2): 

リード化合物(2)の問題点が

臨床試験(治験)直前に明らかになった。

 

☆ 2は、生体利用率(BA)が2%と極めて悪く、

98%が肝臓で分解されてしまうか、または吸収されないで、

排泄される運命にあった。


テーマは臨床研究担当者から猛反対され、一端終結 した。


 
 

◎ドネペジルへの展開: 
 
阻害活性の向上は多くの化合物を合成することで、デザインできたが、BAの改善はなかなか予想が付かないものだった。
 

薬物代謝(動態)の観点から見ると、

アミドN-メチル基の脱メチル化が主たる代謝経路である。

この点から、脱メチル化反応の起こらない、環状構造をした化合物のデザインが、突破口になった。


二環性化芳香環化合物を合成すると、
そのBAも満足できるものになった。 

そして最後のさいごに、

インダノン骨格 へとたどり着いたのである。

 
 
(杉本リーダーは思わず心で叫んだ!これでイインダノン! !!)
 

 

◎  ドネペジルはインダノン骨格を持ち、

  ベンジルピペリジン基を導入することで、

     満足するBAが得られた完成品である。

 

 

イヌのBAは60%、ヒトのBAは40%と改善され、

ヒトにおける血中濃度の半減期は70時間を越えるものであって、

このことが、ドネペジルの臨床試験で、一日一回投与を可能にした。


 

2014年1月19日日曜日

薬学愛論その2


☆ Face Book に書いた旧友への 薬学・ナウ。


ボクは高校の時は、1年から3年まで一番勉強したのは生物。
NHKテキストも集めた。化学は 試験のためだけの勉強だったし、化学でメシを食おうとは思わなかった!ボクが薬学に入った70年代は、薬学の生物系は、フォーカスが定まっていなかった。おまけに、薬学4年の時に、微生物の教室に入ることも考えたが、教室配属で女性陣のスクラムが強く、ハジキ飛ばされて合成系へと進んだので、薬品合成化学が修士までの専門になった。後は帝京大でズルズルと 製造化学をやり、大塚では 医薬生産部に属したが、圧倒的に面白かったのは 大塚製薬・医薬生産部での仕事、三度のメシより面白かったし、カラオケも格段にうまくなったよ。
  •  
  •  
  • 高崎にきてから、薬物代謝、動態の大先輩に出会ったので 
  • なんとか薬を教えられるようになった。
    6年制薬学は化学の上に、薬理学や病理学という臨床的な 花 が咲くようになった。もはや 創薬研究は薬学部ではできない。薬剤師養成という名の おもてなし教育が主流となった。
  • この辺の6年制薬学・ナウ という憂うべき現状について 原稿を作っています。薬剤師という資格と、メシの種を求めて、医学部と同じお金をつぎ込むようなご時世だから、テンションの高い学生は、医学部へ流れていく。濁流の中の6年制薬学だな。教員も、私の周りに限れば、『薬学部が良くなった『という人は、きわめて少ない。
  •  
  •  
  • おまけに、スマホ学習の横行がある。おととし薬学7年生(一期生)のリクエストで薬学ブログを始めた。看護学部の授業では、終りの30分だけ、スマホ解禁にして 自習という名の まとめ を行っている。講義はどこでも、PPT、おまけに PPTを配布資料にしている。これをやると、城報収集力とそれと一番重要な、テイスト即ち、情報選別力がつかない。
  • 誰かの意見や考えに イイネ しいているだけだ。 イイネじゃないね!という力量がないと、医療人としては 不十分だ。医師や看護師に イイネ するだけの薬剤師はイラナイ。

  • 2013年9月9日月曜日

    看護師を薬剤師レベルにする本(2)

    ◆ 薬剤師レベル の知識を習得するための本



    http://www.tkd-pbl.com/author/a49119.html



    学習の基本レベルを知ること:
    くすりの学習は 英語の学習と 同じです。


    英語ができない人は 

    断片的な スピ~ド学習しか しないということです。

     

     英語ができない人は 

    おおむね 日本語の語彙不足 が目立ちます。 

     

     要するに 新しい知識や 言葉を

    古い知識や 言葉と一緒に 整理することができないのです。




     

    逆に、英語ができる人は

    <現代医療用語>も 簡単に 頭に入り、

    整理ができることと 思いますので、

     <基本レベルのくすりの知識>は 誰でも到達可能なのです。



    http://www.tkd-pbl.com/author/a49119.html



    2013年7月13日土曜日

    厄年、お祓い、抗年期(男の場合)

    夕日を 追いかけていくのが 男の一生

    男の更年期障害はまず 厄年。

    42歳+5歳でやってくる。

    そして 何気なく 気にしていると そのうち

    通り過ぎていく。



    僕は 呼びかけたりは しない

    傍らを 過ぎ行くものを

    僕は もう青春も 精旬も

    過ぎて行った ことを知る。

     

    それから10年後 またやってくるもの

    忘れていた 厄年がくる。

    何かしないと いけない。

    そうだ お祓い に行こう。

    夫婦 そろって 家族そろってが 良いけれど。

    自分ひとりでも 十分だ、自己満足だ、プラセボだ。


    そしてまた10年。

    60過ぎに なってしまった。

    還暦も 終わった。

    人生の 墓場 を楽しく生きよう

    男の抗年期。

     

    もはや 失うものは もう 何もない。

    失った ところで どうと いうこともない。

    なくしたツキは 大きかったか

    しかし それは 分不相応。

     

     

    歩き出そう あの山へ

    登り始めよう 火の山へ。

    迷うことなく 歩みを進めろ。

    石ころ、砂利道、地獄道、

    そんなものは 屁でもない。

     

     

    失うものも 何もない

    捨て去るものも 何もない。

    傍らにいる 者たちよ

    俺は また 追いかけたりは する。

    沈む夕日を 追いかけて

    俺はまだ 追いかけている。


    ここでやめてたまるか。
    抗年気の男の 生きざま、
    男の 死にざま である。


    子宮で かんがえることは できないのだ。
    あたりまえだの クラッカ~ くらったか~。
    そして 今日から 僕は ただの 男:


    http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=Hzth_yi33e0&NR=1

     


    初経、閉経、更年期(女の一生)

    女は  <子宮>  で考える。


     

    女が女である証の 初経(しょけい)は 10才前後だろうか。

    いわゆる< 初潮>  とも言われる。



    それは つげ義春の劇画 『紅い花』 のメイン・テ~マである。 

    漫画家のつげさんは、ゲゲゲの水木しげる氏のアシスタントをした後、独立するために 突然出奔した。そのいきさつは 朝の連続ドラマでも 出ていた。

     

     

    そして少女は 大人になった。

    そしてあなたは 京都に行くの。

    京都のどこが そんなに良いの この私の

    愛よりも、あああ~。

     

     

    ああ、長くつらい旅である。そして

    やがて 閉経 (へいけい)。

    枯渇 というか、子渇 と言いたくなる時。



    お経を読むのをやめる時かも ?

     

     

    従って、日本女性の場合

    閉経を挟んだおおよそ10年間を

    更年期と考えて 間違いはない。

     

    具体的には 45歳くらいから、

    55歳くらいまでである。

     

     

    この間に起こった不幸な出来事は

    すべて 更年期障害 である。

    誰にでもやってくる ホルモン障害

    ホルモンの生涯 である。

     


    『 あ~かく  紅く咲く花 碧い花

    この世に咲く花 数々あれど~ 』

    すべては ホルモンの花 である。

    女のあだ花である。



    そして 今日から君はただの女:

    http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=Hzth_yi33e0&NR=1




    2013年7月12日金曜日

    基礎問題集(ホルモン ②)




         薬とその副作用の組合せで 正しいのはどれか。

     


    1.
     抗ヒスタミン薬──眠 気
    2.
     スルホニル尿素薬──咳 嗽
    3.
     非ステロイド抗炎症薬──骨粗鬆症
    4.
     アンジオテンシン変換酵素阻害薬──尿 閉

     
     
    (ステロイドとNSAIDSの副作用は 広範囲に及ぶ)

     

     


     




         抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を抑制 するのはどれか。


     

    1. 血圧 上昇
    2.
     循環血漿量 減少
    3.
     血漿浸透圧 低下
    4.
     血中ナトリウム値 低下


     


    (バソップレッシンは 尿量=血圧 に影響を与える.
    尿量の減少を起こし、血漿量の維持、浸透圧の上昇 をする。)


     

     



         副腎髄質ホルモンの作用で正しいのはどれか


    1. 抗炎症作用がある。
    2.
     気管支を 拡張する。
    3.
     血糖値を 低下させる。
    4.
     血中カリウム値を 低下させる。

     
     
     
    (副腎からは 髄質ホルモンと皮質ホルモンの両方が分泌される)
     

     

     

     

     

         体の変化とそれによって増加するホルモンとの組合せで正しいのはどれか.

     
     
     1. 血糖値の 上昇     ────グルカゴン
    2.
     血清ナトリウム値の 低下────アルドステロン
    3.
     血清コレステロール値の 上昇────甲状腺ホルモン
    4.
     血清カルシウム値の 低下  ────副甲状腺ホルモン


     
    (血糖値は インスリンと グルカゴンにより調節される)

     

     

     


         初経を発来させるホルモンはどれか。

     

    1.卵胞ホルモン     2. 抗利尿ホルモン
    3.
     副腎皮質ホルモン   4. 甲状腺刺激ホルモン

     
     
     

    (副腎皮質ホルモンは 2次性徴 とは直接関係しない)

     

     


    2013年6月15日土曜日

    箱根 強羅 同窓会 1129

    ◆ 72P同窓会:11月29日(金) 19:00~

    今年還暦の皆さんも多い 72P同窓会

    ☆箱根・強羅の ホテル リゾ~ピア箱根  = 一泊で行います。 

    山本香料社長: 山本芳邦様のお世話です。)

     


    ☆ 当日、強羅からは 送迎バス が出るそうです。

    10月1日 までに ご出欠 必ずお知らせ ください。

    尚、変更は 11月1日 まででお願い致します。

    080-3696-7817 (=ケイタイ) 

       またはこの ブログの返信で 結構です。




    ☆ 思い起こせば、なつかしい青春。

     


    薬学部に入ったのが 1972年、石油ショックの直前だ。

    下宿生活で トイレット・ペ~パ~の買い占めをするとは夢にも。 

     

    ガロの『学生街の喫茶店』が聞こえた春。『ひまわりの小径』はチェリッシュの夏。拓郎も 『春だったね』、や 『旅の宿』を歌った。そしてトドメは陽水の 『限りない欲望』。

     

    映画 『ある愛の詩』 にはフランシス・レイの旋律が流れ、若いエルトンジョンの旋律が 『フレンズ』 の中に開花していた。


    劇画 とくれば、『同棲時代』。

    『刑事コロンボ』 もNHKで放映され 皆んなが見た。


     
    ☆ { 風よ運べよ このたより }
    http://www.youtube.com/watch?v=o3RItYxKZOo


    ☆  < ぼくにまかせて下さい >
    http://www.youtube.com/watch?v=867hYofbAKw


    ☆  < 旅人よ >
    http://www.youtube.com/watch?v=YWchSoWXBuE


    ☆  < よろしく 哀愁 >
    http://www.youtube.com/watch?v=pJb5C5LJpSw



    まだまだ あるでよ~。

    本ブログ: 

    ふるさともたない あのひとに

    +  Noekies Electric Guiter &  Sitar



    を見てください。
    また、ご質問は torihiro08@gmail.com
    まで。



    2013年5月13日月曜日

    ◆ マイ薬学☀愛論 ◆

     
     

    勉強家の 若い医師の 本心言葉です。

     

     

    薬をすぐ出さないのが 名医の中の名医
    薬を減らすことができるのが 良い薬剤師。
    一を聞いて十を知るのが、理想の学生。

    病院で診断をするのが 医師
    薬局で薬を選ぶのが 薬剤師。
    これが真の医薬分業です。
    米国ではこの形が浸透しつつあり、ファームDという名前で 表現されている。
    ... …。。


     

     

    一から百まで教わっているような コアカリ学生では
    未来の医療は決して担うことはできない。
    薬学生諸君、コアカリ より イネカリ!!
    現場に出て、患者の前で 学びなさい。

    患者が求めているもの それは 薬ではありません。
    くすり を差し出す人の やさしさ、オブラ~トの気持ちです。

     

    愛は すべてに優る 良薬です。
    最良のくすりは
    時間 そして 家族愛 です。



    (最近のFaceBook & 以前の Dr.Tの薬学コラム 

     

    にも同じ主旨の記述をした。)

    2013年1月27日日曜日

    サラサラよサラバ

    ◆ 生活習慣病の 気・血・水


     

    漢方理論のなかでも、気と血と水による病気の分類(分析) は

    何と言っても 簡単で分かりやすい。

    3つの分類で 複雑怪奇 な病気が分かりやすくなる。

     

     

    生活習慣病も3つに分類しよう。

     

    1. 気  呼吸器や消化器、神経 の病気

    2. 血  循環器、内分泌、ホルモン の病気

    3. 水  泌尿器、腎臓、免疫 の病気

     

     

    グループでまとめてめんどう見よう 生活習慣病(=悪の習慣) ということになる。

    よく言われる 血液サラサラ という 一点表面主義よりも 

    血管スベスベ、内臓スベスベ  まとめて スベスベ でいこう。 



    からだのどこか一点に現れた異常を局所の異常に限ることなく、

    まとめてながめてみよう ということである。

    たとえば、背中が痛む時には 胃や内臓 も疑ってみよう。

    アレルギーには 内臓特に 腸や肝臓、腎臓 も疑ってみよう。

    当たらずといえども 遠からず主義 である。

     

    ☆ ビリヤードの玉のように、ねらいを付けて、玉を当て

    最後に、大玉を落とす=悪玉をやっつけるのが、

    漢方ビリヤード療法である。






    2013年1月16日水曜日

    インフルに漢方を ①

    ◆ 麻黄湯 が インフルに効く!



    麻のつくくすりは、前回の大麻だけではありません。麻黄湯 という漢方があります。


    インフルエンザには タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬が有効です。しかし、抗ウイルス作用に加えて免疫応答を調整することでも効果を発揮する漢方が見出されている。順天堂大学医学部の内藤先生らは、麻黄湯にタミフルなどと同等の効果があることを2012年に見出している。

     

    内藤先生へのインタビューが出ていたので、ぜひとも 参考にして下さい。

    http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/201202/523756.html






    2013年1月13日日曜日

    御すすめの1冊 ⑥












     

     

    おおきな木   ほんだきんいちろう 訳。






     

    翻訳をされた 本田謹一郎先生は 今はもういない。 

     

    息子さんの結婚式の折、にこにこしながらテーブルをまわり、この本を配ってくれました。ほんだ先生は、この本の題にあるような大きな木になって、息子さんを育てられたのかもしれない。ほんだ先生は、ほんとうに にこにこしていました。

     

    そしてもうほんだ先生は この世にいない。

    今は、ご高名な むらかみ はるき さんの役になっている。

    どちらが良いか 読み比べてみて下さい。

     

    薬剤師や、看護師、理学療法士のみなさんは ちょうどこの本の おおきな木のようになっていただきたいものである。


     

    たよりにされ したわれる ことが 

    だいじなこと おおきなこと だとわかってきます。

     

    原作者は シルバースタイン という ひげもじゃの男です。






     

    2012年12月30日日曜日

    免疫事故 ②

    ◆ あわてる免疫


    病気の原因は 複雑多岐 千差万別 である。

    なぜ、自分を守る免疫が、自分を攻撃するのようなことになるのか。

    その原因は、免疫に攻撃されてしまう自己と、
    攻撃する免疫の両方に関係している のだろう。

    以下には 複雑怪奇な 自己免疫疾患についての
    比較的納得しやすい 考え方=理解の仕方 をまとめておく。

    この ページだけ読めば(他のところは) 読まなくてもよい。



    前回も書いたように、 自己免疫性疾患の原因 について最も妥当な解説をしているのは<メルクマニュアル家庭版>です。 (ためし、に

    自己免疫疾患の ページを 当ってみて下さい。)

    今のところこれ以上の、 <説得力のある説明>をみたことがない。



    以下のような4つのケースが書かれている。 このうち、2と3は同じことを言っている。 

    たまたま、生体物質のような異物が侵入したり、生成したりすると、免疫システムがすぐに刺激を受け、生体物質や細胞をとらえて破壊し始める。わずかに変化した自己を容赦なく攻撃するということである。免疫の感受性が異常になったと言えるかもしれない。

     

    2の説明は幅広く、一般的な解説として納得できるものである。




    1. 正常な状態では免疫システムには見つからないはずの物質が、事故や病気で血流に放出された場合。 たとえば、眼を強打すると眼球中の液体が血流中に放出され、この液体が免疫システムを刺激して攻撃を引き起こす。


    2. 体内の正常な物質や細胞がウイルス、薬、日光、放射線などによって変質した場合。 変質した物質は免疫システムには異物とみなされる。たとえばウイルスは体内の細胞に感染して細胞を変質させ、その細胞が免疫システムを刺激して攻撃を引き起こす。


    3. ある体内物質に似た異物が体内に侵入した場合。 免疫システムは見分けがつかず、異物だけでなくその体内物質も攻撃してしまう。


    4. 抗体の産生をコントロールする細胞、たとえば白血球の1種であるBリンパ球が機能障害を起こし、正常な体内細胞を攻撃する異常な抗体をつくる場合。 



    要するに、自己免疫疾患のはじまりは、異物の刺激にあわてて、適切な抗体を作るゆとりがなくなってしまう(強すぎる抗体)状態 であると言えます。


    2012年12月27日木曜日

    免疫事故 ①

    ◆ 攻撃的な免疫


     

    ワクチンは人類が開発した画期的な医薬品であり、免疫作用を巧みに利用している。

    すなわち、病気の原因となる病原体を弱毒化して病原性をなくし、安全な抗原として体に入れ、免疫を活性化してのぞみの抗体を作らせるものである。

    病気のあるところ、ワクチンの助けあり、である。


    もともとは、E. ジェンナーがウシの病気(牛痘)を利用して成功した天然痘ワクチンに始まり、BCG、ポリオワクチンなどのワクチンなどではその恩恵を受けていない人はいない。

    BCGはもはや病原性がなくなり、抗原性だけを示す大変優れたワクチンになっている。しかし、すぐれものばかりでないのがワクチンの怖さであることを、以前のコラムで強調した。

     

     

    外敵から身を守る基本としての免疫機能では、自分と異なる外敵(異物)を抗原とみなし、抗体という武器を作って反撃する、これを抗原抗体反応と呼ぶ。この免疫機構こそが、病気から身を守る自前の武器である。免疫が、タイムリーに働いて、外敵をやっつければくすりはいらないし、癌細胞もやっつけられる。

     

     

    しかし、この便利な免疫が何かの原因で、壊れてしまうと、癌やさまざまなやっかいな病気になる。その総称が、以前このコラムでも取り上げた、自己免疫疾患である。




    感受性の高い免疫が体に入ってきたウイルスをやっつけようとして、ウイルスが感染した臓器までも破壊してしまうような 過剰攻撃をするのが自己免疫疾患と言うことができる。
    具体的な病名として有名なものは、膵臓で起こる1型糖尿病、甲状腺で起こるバセドウ病や橋本病、膠原組織で起こる膠原病やリウマチそして、全身性エリテマトーデスなどがある。
    (過去のコラム: 自己免疫疾患、やっかいな病気 参照)


    ここで改めて議論を深めたいのが、自己免疫疾患の 原因(スイッチ)である。


    自己免疫性疾患の原因 について最も妥当な解説をしているのは、メルクマニュアル家庭版である。化学の目で、なぜこの病気が起こるのかをよりはっきりさせるために、このコラムではさらに探求を進めていきたい。なぜ、免疫が狂ってしまうのか、基本となる 抗原抗体反応 とはどんな反応なのかを考えていきたい。




    2012年12月19日水曜日

    薬害の歴史 3

    ◆ グラクソ社(GSK) による薬害

    グラクソ・スミスクライン(GSK)社は 世界有数の大製薬メーカーで、日本でも多くのくすりを売っています。

    日本に、沢山の危険なくすりを持ち込んでいる、海外メーカーの代表のような会社です。

    グラクソ社が日本(や世界)で問題を起こしているくすりには、このコラムでも何度も触れた、パキシル があります。パキシルはやめたほうが良いくすりの横綱です。 

    パキシルの注意書きには、危険性に関する警告が出ています。


    その他のさまざまな不適切なくすりの販売に対して、グラクソ社は米国FDAから、厳しい賠償の支払い命令を受けています。サリドマイドを作った、ドイツのギュルネンタール社と似たような、節操のないくすりの販売活動に走っています。

     

     

    日本の製薬メーカーのコマーシャルには、くすりを飲む時は、どこのくすりかも重要なことだとアピールしているものが有りました。まさに、前科のある会社のくすりは、できるだけ避けたいと思います。

     

     

    グラクソ社の最近の販売活動で注意すべきは、子宮頸がんワクチン のサーバリックスの販売活動です。子宮頸がんワクチンは、このコラムでも、その接種を疑問視してきました。インフルエンザワクチン と同じ、いらないくすりです。



     薬害の歴史は戦争と同じくらいの貴重な教訓です。


    2012年10月29日月曜日

    化学事故 3

    KCl事故報道

     

    基本操作を無視した事故例がある。塩化カリウム(KCl)は塩に似た無機化合物で、それ自体では特にどうということのない化合物である。低カリウム血症になった場合、静脈注射によってKCl溶液が注射される。このKCl溶液の注射を任された看護師が起こした事故である。

     

    2002年から2012年の間で,高濃度塩化カリウム製剤の事故は10件以上報道されています.その原因の多くは,「点滴ボトル内に塩化カリウム製剤を混ぜる」ところを,誤って「直接投与」してしまったことによる医療事故でした.高濃度塩化カリウム製剤関連の医療事故をいくつかピックアップし,以下にまとめました.

     

     

        事故概要:

     

    報道日 2012.3  准看護師(23)が,入院中の80代の女性の低カリウム血症に対し,塩化カリウムを希釈するべきところ原液を点滴.4日後に患者は心不全で死亡.准看護師は書類送検された.

     

    報道日 2007.2.  看護師(22)が入院中の60代の男性患者に誤って塩化カリウム製剤を原液のまま直接静注し,直後に患者が心不全で死亡した.病院はミスを認め遺族に謝罪し,看護師は書類送検された.

     

    報道日 2006.6.24  主治医が60代の脳梗塞患者に塩化カリウム原液とビタミン剤を混ぜたのち24時間かけて点滴するように看護師(21)に指示したところ塩化カリウム40mLを側管より注入.その直後心停止.蘇生治療を受けたが5時間後心不全にて死亡.病院はミスと死亡との因果関係を認め,謝罪した.看護師は書類送検された

     

     

    報道日 2004.4 塩化カリウムを点滴に混ぜて患者に投与するように指示された女性看護師が,誤って直接静脈内に投与し患者が死亡.

     

     

    報道日 2002.6.  「医療ミスで入院患者を死亡させた」と,警察署に届け出があった.死亡したのは60代男性で,点滴容器から体に注入すべき栄養剤の一種「塩化カリウム」を,誤って直接体内に入れたところ,容体が急変して死亡したという.同署は業務上過失致死容疑で職員から事情聴取するなどし,医療ミスの原因や詳しい死因などを調べている.同署は男性の主治医(34)と内科の看護師(21)から,同容疑で事情を聴いている.

     

     

     

    2012年9月20日木曜日

    増える病気、減る病気 ①

    ◆ 今 増える  病気:癌 ◆ 


    健康意識や医療技術の進歩向上は健康寿命を延ばし、

    統計上明らかな <平均寿命> の長さに反映されています。

    男性は約80才、女性では90才に手が届こうとしています。

    その一方で、年々増加する病気があるのも明らかな事実です。

    <癌>は今や日本の国民病です。

    かつての国民病であった <結核>はなりをひそめ、

    <胃癌> も 食生活の改善と 診断技術の進歩、

    ピロリ菌対応で、今や決して増加傾向ではありません。

    しかし、ある種の癌は増加傾向です。

    特に、大腸癌、肺癌、そして 前立腺癌や乳癌 はこれからも増えていく傾向です。というのも、癌をみつけやすく、早期対応ができるようになっているからです。

     

    <うつ病>や<認知症>にかかっている人の数も、過去の数倍に昇っています。

    季節性の <花粉症やアレルギー>、<自己免疫疾患>さらには、夏場の 熱中症 なども過去の数をはるかに超えています。生活環境が改善されたために、免疫機能が弱体化し、起こってしまうとも考えられます。

     

    今や なおる癌 として取り上げられるのが、乳癌と悪性リンパ腫です。

    ☆ 乳癌 については、続のようなコメントをする人もいます。

    乳癌は女性ホルモンと密接に関係している病気です。


    ■ 乳癌の増加については、最近の非婚傾向や高齢出産などのライフスタイルや食生活の欧米化が原因に考えられています。食事の影響については、乳がんに限らず、消化器系の癌についてよく言われることです。
    感染症などの疾患が撲滅された反面、生活習慣が引き起こす病気が増えている傾向にあります。
    乳癌は今後増え続け、2015年には約5万人が乳癌にかかるのではないかと予測されています。

    2012年9月18日火曜日

    甲状腺と膵臓 ②

    ◆ 甲状腺機能低下症

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%A2%E6%80%A7%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%82%8E

    橋本病は慢性甲状腺炎とも言われます。甲状腺の機能が免疫システムの異常で落ち込んでしまい、ホルモン分泌が低下する病気です。

    自己免疫疾患として認められたはじめての例で、バセドウ病と同じように、女性がなりやすい傾向があります。

     

    甲状腺は重要なホルモン分泌器官で、チロキシン類を分泌して、全身の代謝をコントロールしています。その器官が、免疫の異常で機能低下や機能亢進を起こすのは大変困ったことです。


    膵臓も免疫の攻撃で、インシュリンが出せなくなります。 甲状腺と膵臓は、免疫異常で破壊されやすい器官なのです。


    自己免疫疾患には くれぐれも注意したいものです。