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2014年10月23日木曜日

TOPK Inhibitors: OTS964 2014



TOPK (T–lymphokine-activated killer cell–originated protein kinase) is highly and frequently transactivated in various cancer tissues, including lung and triple-negative breast cancers, and plays an indispensable role in the mitosis of cancer cells.


 We report the development of a potent TOPK inhibitor,
OTS964  {(R)-9-(4-(1-(dimethylamino)propan-2-yl)phenyl)-8-hydroxy-6-methylthieno[2,3-c]quinolin-4(5H)-one}, which inhibits TOPK kinase activity with high affinity and selectivity. Similar to the knockdown effect of TOPK small interfering RNAs (siRNAs), this inhibitor causes a cytokinesis defect and the subsequent apoptosis of cancer cells in vitro as well as in xenograft models of human lung cancer.



Although administration of the free compound induced hematopoietic adverse reactions (leukocytopenia associated with thrombocytosis), the drug delivered in a liposomal formulation effectively caused complete regression of transplanted tumors without showing any adverse reactions in mice. Our results suggest that the inhibition of TOPK activity may be a viable therapeutic option for the treatment of various human cancers.
Citation: Y. Matsuo, J.-H. Park, T. Miyamoto, S. Yamamoto, S. Hisada, H. Alachkar, Y. Nakamura, TOPK inhibitor induces complete tumor regression in xenograft models of human cancer through inhibition of cytokinesis. Sci. Transl. Med. 6, 259ra145 (2014).
 
 
 

2014年10月7日火曜日

 

 

複素環スタチンのプレイオトロピック効果とMOアナリシス


 

1高崎健康福祉大・薬,2同志社大脳科学研,徳島大院薬,4群馬大院理工,5DNPファインケミカル宇都宮他)

○鳥澤保廣,村上孝,藤田有紀,杉本八郎,笠原真一郎伊藤智広,根本尚夫

堀内宏明,安田 実5, 高橋康弘,門馬良成


 

【目的】  ジェネリック医薬品には癌やアルツハイマー病(AD)などの難治疾患治療薬候補となる プレイオトロピック効果(多面性効果) を有するものが知られている。 シグナル伝達に直接かかわる新しい分子標的薬の開発が活発に行われる一方で、シグナル伝達に間接的にかかわるようなジェネリック薬の発掘は有効なリポジション型創薬の起点となる。

 

我々はヘテロ環構造に注目したジェネリック薬の機能解明をめざして各種検討を行ってきた。即ち、各種ヘテロ環型ジェネリック薬及び、既存の各種色素,生理活性ペプチドなどのタウ凝集阻害活性を調べ、共通する構造単位の探索、解明を行った(前報)。

本発表では、スタチン薬のプレイオトロピック効果、特にシグナル伝達に関与するキナーゼ系に対する効果を解明する目的で、各種複素環スタチンについてのROCK(キナーゼ)との相互作用を調べる研究を行ったので、その経緯について報告する。

複素環スタチンとして今回特に注目すべものは、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンの3品である。

 

 

【結果・考察】  周知のように、スタチン類はコレステロール合成に関わる酵素(HMGCoA)阻害剤として開発され、現在高脂血症薬としてブロックバスター薬の代表になっている。市販後の大規模調査に於いて確認された脳梗塞抑制や、高血圧改善作用はこの酵素阻害作用に基づくものと考えられる。 その一方で、これとは異なる分子メカニズムによる重要な治療効果を示唆する論文が多く見られる。

例えば、2011年に福井大のグループは、ピタバスタチンのアルツハイマー改善効果を報告しているが、これはRho/ROCK系シグナル伝達に対する効果と推論されている[1]。

もし、Rho/ROCK系シグナル伝達をスタチンが制御できるのであれば、それは癌代謝や癌転移、ひいては血管新生等の重要なイベントにかかわる可能性を示唆するものであるから、このシグナル視点で、スタチンの効果を解明することは重要なリポジション創薬研究になる。

 

我々はまず文献[1]に従って、ピタバスタチン(PTA)のタウセグメントに対する直接的な凝集阻害活性を調べた。既知のメチレンブルー(MB)をポジテイブコントロールとしたアッセイ系では、ピタバスタチン群では殆どタウ凝集阻害効果は見られなかった。さらにピタバスタチンのキノリン環を持った化合物においても、特段の目立った活性は見出されなかった。その一方で、ピタバラクトンにはわずかながらも 活性の兆候が見られた。このアッセイから、PTA(カルシウム塩)はアッセイ系には難溶であり、その活性増強にはまず可溶化させる誘導体化が必須であることがわかった。そこで次に、ピタバスタチン及びその関連キノリン性化合物に関して、Rho/ROCK系シグナル伝達系への影響を調べる検討を行った。

 

 初期調査において、PTA及びその極性型BGLアミドにおいて、Rho/ROCK系シグナル伝達に関係する癌細胞系への抑制効果が見出された。即ち癌の代謝と動きを抑える効果が見られ、ROCKシグナル伝達系でのプレイオトロピック効果が確認された。さらには極性BGL誘導体化と、関連する分子軌道計算からの知見についても報告する。

 

 

 

 

Pleiotropic Effect of Heterocyclic Statins and MO Analysis

 

 

Yasuhiro Torisawa1, , Takashi Murakami1, Yuki Fujita2, Hachiro Sugimoto2, Shin-ichiro Kasahara3, Tomohiro Itou3,

 Hisao Nemoto3, Hiroaki Huriuch4, Minoru Yasuda5*,Yasuhiro Takahashi5, Yoshinari Monma5.

1 Takasaki University Health & Welfare, 2Dousisya University, 3Tokushima University, 4Gunma University,

5 DNP Fine Chemicals Utsunomiya, Ltd.,

 

 

In order to gain knowledge about pleiotropic effect of Statins, we are now interested in the tau aggregation inhibition and ROCK signal modulation by such heterocyclic statin as Pitavastatin (PTA), Rosvastatin and related hererocyclic structures.

According to the previous report on the improvement of Alzheimer’s disease (AD) by PTA [1], we are carefully investigated on the tau-aggregation inhibitory effect of PTA and other quinolones. In our in vitro assays, however, any distinctive activity was found towards tau segment aggregation, while PTA-lactone showed marginal inhibition activity.

 

These initial results showed us that solubility problem was an important factor, and also, signal modulation assays with other ROCK system is essential. Thus, the in vitro tumor growth inhibitory assays are conducted, and the ROCK signal modulation of PTA and PTA-BGL was observed in our preliminary experiments. Further insights into the pleiotropic Statins by MO calculation are addressed in the presentation. 

 

Tadanori Hamanoa*, Shu-Hui Yen, Tania Gendron, Li-wen Ko, Masaru Kuriyama

Pitavastatin decreases tau levels via the inactivation of Rho/ROCK

Neurobiology of Aging 33 (2012) 2306–2320

タウの自己重合




アルツハイマー症関連阻害剤

<Tau の酸化>について考える;

Tau の自己重合は,酸化環境下で促進されます.

酸化環境下でTau の集合が進むと糖鎖付加,

つまり非酵素的な還元糖の付加がおこります.

これはリジン残基のところで起ることが多く,

Schiff 残基の形成の結果だと思われます.

糖鎖付加と過リン酸化が両方されたPHF-Tau は,

過リン酸化だけされていて糖鎖付加されていない

可溶性Tau と比べて微小管結合能が格段に落ちます.

 

酸化的架橋を受けることによりタンパク質は

プロテアソームの活性を阻害することで

分解を受けにくくなります.

従って酸化的架橋はNFT 内での

ユビキチン抱合体の蓄積の重要な原因かもしれません.

神経変質性を伴う疾患では

ユビキチンの濃度が高くなっていることも報告されています.

 

それで,酸化ストレスを減らすとアルツハイマー病の発症を抑えるうえでの治療的効果があるのかという重要な問題が上がってきます.

 

 

実際,フリーラジカルの生成を抑える薬品が

アルツハイマー病の発症と進行を遅らせることが示されています.

 

 

プロピル没食子酸,ビタミンE などの抗酸化剤,

Ntert- ブチル- β - フェニルニトロンのようなスピントラップ剤はA βを与えた培養細胞での神経毒性を減少させます.

 

ビタミンE はラットにおいて海馬の神経の生存を促進し,

機能低下したコリン作動性ニューロンを回復することが報告されています.

ニューロンのダメージを最少化する別の方法としてAPP からのA βの生成を減らす,または阻害するという方法があります.

 

β , γセクレターゼの活性を阻害することは魅力的な治療法です.というのは臨床的にこの段階に介入することで,老人斑の形成と神経細胞死にいたる初期段階に

効果があると考えられるからです.

 

 

14. アルツハイマー症関連阻害剤__

 

Indirubin-3´-monoxime 402085

サイクリン依存性キナーゼの強力な阻害剤(Cdk1 に対してIC₅₀ = 180 nM).広い細胞スペクトルに対し,細胞周期をG₂/M 期にとどめることによって増殖を阻害します.in vitro でタウリン

酸化を阻害し,in vivo ではアルツハイマー疾患に特異的な部位タウリン酸化を阻害します.CdK5 によるDARPP-32 のThr75 のリン酸化をin vivo で阻害することも報告されています.

Indirubin-3´-monoxime, 5-Iodo- 402086

グリコーゲンシンセターゼキナーゼ3 β (GSK-3 β ) の極めて強力な阻害剤(IC₅₀ = 9 nM).Cdk1(IC₅₀ = 25 nM) およびCdk5(IC₅₀ = 20 nM) の活性も阻害します.インジルビン誘導体は,Cdkと結合する場合と同様に,GSK-3 βのATP 結合ポケットに結合します.GSK-3 βとCdk5 は,大半の場合,アルツハイマー病(AD) における微小管結合タンパク質Tau の異常な過剰リン酸

化の原因となっています.

Indirubin-3´-monoxime-5-sulphonic Acid 402088

Cdk1(IC₅₀ = 5 nM) およびCdk5(IC₅₀ = 7 nM) の強力な阻害剤.グリコーゲンシンセターゼキナーゼ3 β (GSK-3 β ) も阻害します(IC₅₀ = 80 nM).このインジルビン誘導体は,Cdk との結合と同様,GSK-3 βのATP 結合ポケットと結合します.GSK-3 βとCdk5 は,大半の場合,アルツハイマー病(AD) における微小管結合タンパク質Tau の異常な過剰リン酸化の原因となっています.

Ro-31-8220 557520

{3-[1-[3-(Amidinothio)propyl-1H-indol-3-yl]-3-(1-methyl-1H-indol-3-yl)maleimide; Bisindolylmaleimide IX, Methanesulfonate}

プロテインキナーゼC(PKC) の競合的阻害剤(IC₅₀ = 10 nM).CaM キナーゼII(IC₅₀ = 17 μM),プロテインキナーゼA(IC₅₀ = 900 nM) から選択的に作用します.また,MAP キナーゼ・フォスファターゼ1 の発現の阻害剤,かつJNK1 の活性化因子アクティベーターです.HL-60 細胞において,PKC への効果とは独立にRaf-1 のリン酸化を阻害し,アポトーシスを誘導します.CAS

138489-18-6.

InSolution™ Ro-31-8220 557521

{3-[1-[3-(Amidinothio)propyl-1H-indol-3-yl]-3-(1-methyl-1H-indol-3-yl)maleimide; Bisindolylmaleimide IX, Methanesulfonate} Ro-31-8220 ( 製品番号 557520) の5 mM (500 μg/182 μL) 水溶液です.

 

2014年8月17日日曜日



◆認知症治療を助ける ジェネリック医薬品 (2)

◇ 高崎健康福祉大学・ 薬  鳥澤 保廣

 

 

2. 脳血管障害と認知症




シロスタゾールによる認知機能改善効果は、
脳血管障害が認知症発症のトリガーであることを
間接的に示すものである。

実際に男性認知症の場合、初期に起こった虚血性疾患
の発症を経て、認知症へと移行することが多く認められている。

このような事実は、これまでアルツハイマー病と診断された
大多数の認知症が、実は血管性認知症との混合型
(混じり合った症候群)であるというより厳密で、
適正な病態解析がなされる方向に導くものである。
(次図参照)


初期認知症の治療において、
積極的な血管機能の改善による治療
が重要であることを示唆する傍証(エビデンス)
が集まっている現状にある。


一方、シロスタゾールと並んで長期の市販後調査(Ph4)
の臨床所見などにおいて、認知症改善効果がみられた
ジェネリック薬がスタチン類である。


スタチンはコレステロール値を下げる
生活習慣病薬の代表選手であり、
現代の大型商品(ブロックバスター)として
市場を占有している。

薬効メカニズムはコレステロール生合成
にかかわる酵素(HMGCoA還元酵素)の阻害剤であり、
安全性の高い日常薬として処方されてきた。


スタチンには 多くの類似薬があるが、
そのなかでも酵素阻害作用の強力なストロングスタチン
として現在優勢なものが、        <ピタバスタチン>
(リバロ;興和・日産化学製)と  <クレストール>
(塩野義・アストラゼネカ製)  である。


これらは日本で開発された 一番新しいスタチンである。
ピタバスタチンに関しては 認知機能改善のメカニズムが
福井大学のグループによって報告されている。


実はスタチンの作用としては、
コレステロール合成阻害作用だけでなく、生体情報系
<キナーゼシグナル伝達系(Rho/ROCK系)> への関与
も認められており、細胞内の代謝回転を改善することから、
認知機能へのポジテイブな効果が期待されている。

治療から見たスタチンのプレイオトロピック効果である。

スタチン類は血管壁における肥厚や動脈硬化を抑制するので、
血管障害性認知症に有効であるというロジックが成り立つのである。
今後、より明確な臨床解析により、スタチン類が認知症治療薬
としての効能追加を認められる可能性は十分にある。



他方、高血圧薬として知られるサルタン系薬剤には、
明確な認知機能改善効果のエビデンスは得られていない。
ノバルテイス社のバルサルタン(デイオバン)には特に目立った
脳梗塞防止効果はなく、それは他の類似薬
(カンデサルタン;オルメサルタン)などでも同様なこと
である。このサルタン系薬剤の販売促進を目的とした、作為的
(恣意的)な学術論文捏造が行われたのは新聞紙上をにぎわした
周知の悪事であり、わずかに1年前のことであった。

製薬企業では利益さえ上がれば《やったもの勝ち》
というもうけ主義の因習がはびこっており、


武田薬品や協和キリンにおいても例外ではなかった。
厳しい制裁的な処分が望まれる。
この点は米国のほうが、はるかに厳格な裁判と処分がなされている。


以上のような血液血管系へのポジテイブな作用から
期待がもたれているジェネリック薬は、
シロスタゾールと スタチン類の多く である。


蛇足ながら、我々の予備的実験においては、
スタチン類にはメチレンブルー(MB)のような直接的で強力な、
タウタンパク凝集阻害作用は認められていない一方で、
EMT阻害(坑炎症作用)などがメカニズムを含めて解明されている。


またED治療薬として一世を風靡したシルデイナフィル
(バイ アグラ)はPDE5阻害作用による血管拡張薬であるが、
認知症に対する明確な効果については傍証が少ない。




認知症治療を助ける ジェネリック医薬品(3)

高崎健康福祉大学・薬  鳥澤 保廣


3. 認知症とインスリン仮説

http://tanoshikuyakugaku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_23.html


認知症は 脳の糖尿病 と呼ばれています。
実際NHK特集でも放映されたように、鼻腔から
インシュリンを投与するという過激な、過渡的治験によって
認知症の改善を目指す試みが行われているようです。
しかし、消化ホルモンを本来通過すべき臓器以外から
無理やり投入するのは、いささかお門違いではないか
とも考えられます。
たとえて言えば、9回裏同点に追いつかれてから
リリーフピッチャーを投入するような急場しのぎの感があります。

しかし、認知症の治療コンセプトとして、インスリン仮説は
しっかりしたものになっています。(Wikipediaなどを見てください)


インシュリンは糖代謝の鍵となるホルモン(ペプチド)であり、
その構造的特徴として、ジスルフィド(S-S)結合を有しています。
化学的には、アルツハイマー症にかかわる、アミロイドや
タウタンパクにおいても、このジスルフィド結合がその
機能上重要な働きをしているのです。

つまり酸化還元反応に関与するホルモンや、各種の
タンパク(ペプチド)が認知症の発症と関係すると考えることは、
正しいロジックなのです。


以下にはその生体内でおこる酸化還元反応について少し解説します。
生体は酸素を使った代謝反応でエネルギーを取り出しています。
地球には後から充満した大気である、<酸素>を使って
生命のサイクルを駆動することで、長寿命の生物が存在する
ようになりました。

従って、酸素の力によって生命は成り立ち、
同時に酸素によって好ましくないダメージも受けています。
体の中で発生する便利で危険な道具 『活性酸素 (ROS) 』 が
そのすべてを説明する (原因)化学物質であることは、
よく知られたことです。


酸素(O2) が還元されて生成するこの活性酸素(ROS)は 
両刃の刃であり、さまざまな病態と密接に関連しています。

ここでは糖尿病とその合併症についてホーカスを絞ってお話します。
周知のように糖尿病がやっかいな病気なのは、
誰でもかかる生活習慣病であり、その恐ろしさは、
無症状で進行し、さまざまな合併症を引き起こすという
やっかいな慢性病であるという点です。


糖尿病の合併症の代表的なものとしてはこれまで、
糖尿病性腎障害、糖尿病性血管障害、そして
糖尿病性網膜障害が重要なものとして注目されていました。
いずれも長期治療や、身体機能の不自由を強いられる苦痛を伴う
慢性疾患です。


今、糖尿病性脳疾患として、アルツハイマー病が
その仲間に入ってきたところです。

これらの慢性疾患はすべて『活性酸素の二次被害』
と考えてよろしいかと思います。
もし、糖尿病治療において、やっかいな合併症のいくつかに
同時に対応できる手立てを講ずることは大変重要な治療の
コンセプトになります。

ここではそのような視点から、我々が着目した古い
ジェネリク薬  エパルレスタット(キネダック)
について紹介します。

http://tanoshikuyakugaku.blogspot.jp/2014/12/blog-post_23.html   



(続)

2014年8月15日金曜日

Polo-Like Kinase 4 Inhibitors with Pyrazole and Indazole Scaffolds

Abstract

Abstract Image
 
 
 
Previous publications from our laboratory have introduced novel inhibitors of Polo-like kinase 4 (PLK4), a mitotic kinase identified as a potential target for cancer therapy. The search for potent and selective PLK4 inhibitors yielded (E)-3-((1H-indazol-6-yl)methylene)indolin-2-ones, which were superseded by the bioisosteric 2-(1H-indazol-6-yl)spiro[cyclopropane-1,3′-indolin]-2′-ones, e.g., 3. The later scaffold confers improved drug-like properties and incorporates two stereogenic centers. This work reports the discovery of a novel one-pot double SN2 displacement reaction for the stereoselective installation of the desired asymmetric centers and confirms the stereochemistry of the most potent stereoisomer, e.g., 44. Subsequent work keys on the optimization of the oral exposure of nanomolar PLK4 inhibitors with potent cancer cell growth inhibitory activity. A short list of compounds with superior potency and pharmacokinetic properties in rodents and dogs was studied in mouse models of tumor growth. We conclude with the identification of compound 48 (designated CFI-400945) as a novel clinical candidate for cancer therapy.

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2014年8月10日日曜日

セレコキシブ







http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%96

日本においてセレコキシブは、2007年に関節リウマチ変形性関節症、2009年に腰痛症肩関節周囲炎頸肩腕症候群腱・腱鞘炎の適応を取得した。


また、2011年には急性疼痛として、手術後、外傷後、抜歯後の消炎・鎮痛の適応が承認された。日本以外の国では、強直性脊椎炎月経困難症などの適応ももっている。セレコキシブは鎮痛効果を発揮しつつ、従来のNSAIDsで見られるような消化管への副作用を最小限に抑えることを目的としてドラッグデザインされたCOX-2選択的阻害薬である。


セレコキシブの日本国内における関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症の第III相試験結果、および肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎の国内一般臨床試験において、消炎・鎮痛効果で改善効果が認められた[2][3][4][5][6][7][8]

用法・用量[編集]

通常、セレコキシブの成人投与量は関節リウマチでは1回100~200 mgを1日2回、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎では1回100 mgを1日2回である。 手術後、外傷後、抜歯後疼痛に対しては、初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与。投与間隔は6時間以上。頓用の場合は初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与。ただし、1日2回までとする、となっている。


副作用[編集]

日本における副作用発現率は以下のとおりである。
関節リウマチ及び変形性関節症
国内臨床試験では、関節リウマチ及び変形性関節症患者の安全性評価症例1,734例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は426例(24.6%)であった。(承認時:2007年1月)
 
 
腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱・腱鞘炎
国内臨床試験では、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱・腱鞘炎患者の安全性評価症例1,304例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は451例(34.6%)であった。(効能・効果追加時:2009年6月)
 
 
手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛
国内臨床試験では、手術後患者、外傷後患者及び抜歯後患者の安全性評価症例861例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は113例(13.1%)であった。(効能・効果追加時:2011年12月)

 

投与注意事項[編集]

消化性潰瘍のある患者は投与禁忌となっている。NSAIDsを服用中の患者においては、警告症状の有無にかかわらず中等度から重度の肝障害や消化管の副作用が発現する可能性がある。

 

 

アレルギー[編集]

セレコキシブは、本剤の成分に過敏症の既往のある患者には投与禁忌であることに加え、スルホンアミド部分を含むことから、スルホンアミドに対し過敏症の既往のある患者にも禁忌である。

 

 

薬物相互作用[編集]

セレコキシブは、主としてシトクロムP450(CYP)2C9を介して代謝される。

CYP2D6の基質ではないが、CYP2D6の阻害作用を有するため、パロキセチンなど、CYP2D6で代謝される薬剤との併用により、併用薬の血漿中濃度が上昇し、併用薬の作用が増強する可能性があるため注意が必要である。

また、他のNSAIDsと同様、セレコキシブは、一部のアンジオテンシンII受容体拮抗薬ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤と併用することで腎に対するリスクの上昇が考えられる[9]


一方、多くの他のNSAIDsにあるニューキノロン系抗菌薬との相互作用は添付文書上記載はない。

妊婦への投与[編集]

妊娠末期には投与禁忌である。 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないため、妊婦(妊娠末期以外)または妊娠している可能性のある場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。授乳中の場合には、授乳を避けさせる。

消化管への安全性[編集]

NSAIDsリスク
NSAIDs服用による、潰瘍を含む消化管障害リスクについては、一般的に広く知られている。Lanzaらは、NSAIDs起因性の消化管障害リスクファクターを、以下のように分類している[10]
  • 高リスク:
    1. 出血や穿孔などの合併症を伴う潰瘍の既往(特に最近)
    2. 中等度リスクが3つ以上ある場合
  • 中等度リスク(リスクファクター1~2つ):
    1. 高齢(>65歳)
    2. 高用量NSAIDsによる治療
    3. 合併症を伴わない潰瘍の既往
    4. 低用量を含むアスピリンとステロイドまたは抗凝固薬の併用
  • 低リスク:リスクファクターなし
    セレコキシブは、COX-2の選択的阻害により、消化管障害のリスク軽減についてエビデンスが示されている。
    日本消化器病学会による『消化性潰瘍診療ガイドライン』では、COX-2選択的阻害薬では、従来のNSAIDsと比べ、潰瘍発生が軽減される(グレードB)とされ、さらにはNSAIDs潰瘍の予防の観点からCOX-2選択的阻害薬が有用である旨、記されている(グレードA)[11]
上部消化管への安全性
2000年に発表されたCLASS試験は、COX-2選択性による消化管への安全性についての裏づけに引用された主要なエビデンスである。アスピリン非服用患者において、セレコキシブ群ではイブプロフェン群またはジクロフェナク群と比較して症候性潰瘍および症候性潰瘍と潰瘍の合併の発現率が有意に減少したことが示された[12]
日本国内の試験としては、健康成人190人をセレコキシブ100mg×2回/日群、ロキソプロフェン60mg×3回/日群、およびプラセボ群に無作為割り付けし2週間投与し内視鏡検査したところ、胃・十二指腸潰瘍の発現率は、セレコキシブ群で1.4%(1/74例)、プラセボ群で2.7%(1/37例)に対し、ロキソプロフェン群では27.6%(21/76例)であった。この試験結果は、2011年、シカゴで行われたDDW(Digestive Disease Week)で発表された[13]
下部消化管への安全性
小腸をはじめとする下部消化管は、長らく「未知の領域」であったが、カプセル内視鏡等の登場により、その実態が明らかになりつつある。
Goldsteinらは、カプセル内視鏡で小腸粘膜傷害のない健康成人(n=356)を無作為割り付けし、セレコキシブ(1回200mg 1日2回)とナプロキセン(1回500mg 1日2回)+プロトンポンプ阻害薬(PPI)(オメプラゾール1回20mg 1日1回)、およびプラセボを2週間投与した。その結果、小腸粘膜傷害の発現数はナプロキセン+PPI群の2.99に対し、セレコキシブ群では0.32であり(p<0.001)、セレコキシブが下部消化管においても安全性が高いことが示された[14]。Goldsteinらは同様にセレコキシブ(1回200mg 1日2回)とイブプロフェン(1回800mg 1日3回)+PPI(オメプラゾール 1回20mg 1日1回)、およびプラセボとの比較も行っており(n=408)、その結果、小腸粘膜傷害発症率はイブプロフェン+PPI群で25.9%に対し、セレコキシブ群では6.4%であった(p<0.001)[15]
CONDOR試験
Chanらは、関節リウマチ、変形性関節症患者で、心血管リスクが低く、H.pylori陰性の高齢者など消化管障害高リスクの対象を無作為割り付けし、セレコキシブ1回200mg 1日2回とジクロフェナクSR(1回75mg 1日2回)+PPI(1回20mg 1日1回)の2群にわけ、6ヵ月間観察した試験を行った。その結果、CSULGIE(全消化管における臨床的に重大な複合消化管イベント)の累積発現率は、セレコキシブ群はジクロフェナクSR+PPI群と比べ有意に低いことが認められた(p<0.0001)[16]
以上のことから、従来のNSAIDsでは、たとえPPIを併用していたとしても消化管の粘膜傷害の発症を完全に抑制することはできず、セレコキシブのようなCOX-2選択的阻害薬で消化管への安全性の高さが証明された。

心血管系リスク[編集]

2004年にCOX-2阻害剤のロフェコキシブ(Vioxx)が市場から回収され、特にセレコキシブ等のCOX-2選択的NSAIDsをはじめとするNSAIDsの使用で心臓発作や脳卒中のリスクが増大するのではないかとの懸念が高まった。アメリカでは、発売されている全てのNSAIDsで心血管系および消化管のリスクについてFDAは「黒枠警告」を義務付けている。 セレコキシブの心血管系リスクについては意見が分かれており、各臨床試験でさまざまな結果が出されている。
  • APC試験:大腸ポリープ再発予防を目的としたセレコキシブの2つの臨床試験のうちの1つ。長期にわたり高用量のセレコキシブを服用した場合(1日400mgと800mgを33ヵ月間)プラセボとの比較で心血管系リスクが上昇する、とされた[17]
  • PreSAP試験:大腸ポリープ再発予防を目的としたもう1つの試験であり、本試験ではセレコキシブの心血管系リスクの上昇は示されなかった[18]
  • ADAPT試験:アルツハイマーの予防を大規模に検討した本試験では、セレコキシブにおけるリスクの増大は示されなかった。一方、対照薬であったナプロキセンで、リスクの上昇が示される結果となった[19]
上記、APC、PreSAP、ADAPT試験は、いずれも中止された。
2005年に米国内科学会が発行しているAnnals of Internal Medicineで、COX-2阻害剤の循環器への影響は各剤で異なることが報告された[20]。ロフェコキシブ等の他のCOX-2選択的阻害剤は、セレコキシブと比較して心筋梗塞の発症率が有意に高かった[21]。2005年4月、FDAはデータを詳細に審査し、「どのNSAIDsでも心血管系リスクは共通して増大するであろう。」と結論づけた[22]。無作為化試験に関する2006年に実施されたメタ解析では、COX-2阻害剤に関連する脳血管イベントについて検証が行われたが、非選択的NSAIDsやプラセボとの比較においてはリスクの有意性は示されなかった[23]
2006年には、セレコキシブと他のNSAIDsの心血管系リスクに関する2つのメタ解析研究が報告されている。1つは、過去に実施されたCOX-2阻害剤の全無作為化比較試験と他のNSAIDsの臨床試験における心血管系イベントの発生率を検討したもので、British Medical Journalに公表された。著者等は、セレコキシブを含む選択的NSAIDsおよび非選択的NSAIDsではリスクの大きな増大はないと結論づけた。セレコキシブでの心血管系リスクの増大は1日1回400 mgかそれ以上の用量に限り報告されている[24]。もう1つのメタ解析はJAMAに公表され、無作為化試験ではなく観察研究が対象であったが(ほとんどが低用量)、セレコキシブとプラセボの比較では心血管系リスクの増大は認められなかった[25]
Vioxx Gastrointestinal Outcomes Research (VIGOR)試験では、ロフェコキシブはナプロキセンとの比較でアテローム血栓性心血管系イベントが5倍増大すると発表された[26]。Celecoxib Long-Term Arthritis Safety Study(CLASS)試験ではそのようなイベント発生率の増大は発表されなかったが、専門家の多くは、ロフェコキシブの長期服用に関連するリスクは薬理学的に3つの異なる機序においてセレコキシブにも当てはまると考えている[20]。相対的に拮抗していない血小板由来のトロンボキサン(TXA2)の生成によるプロスタサイクリン(PGI2)阻害は、血栓リスクにつながることが示唆されている。COX-2が触媒となって血管内皮細胞からPGI2が産生され、血小板凝集抑制、血管平滑筋の増殖抑制、および血管拡張が生じる。これと相反し、血小板から生成されたTXA2は、不可逆的な血小板凝集、血管収縮、および平滑筋増殖作用により血管の恒常性を維持する。PGI2のバランスの失調によりTXA2の働きが強まり血栓症が助長される[26]。さらに、COX-2選択的阻害剤では、血管収縮作用のあるTXA2は通常値であっても血管拡張作用を有するPGI2が著しく減少して血圧が上昇することがある[27][28]。さらに、アテローム血栓性イベントを助長する第3の前提条件として、COX-2の発現増大は虚血プレコンディショニングの最終段階における循環器保護に重要な役割を果たす点があげられる。さまざまな意見があるため、処方医はセレコキシブを処方する際には注意を要することが求められており、現在、明確な治療の指標が示されるよう、合理的な治療計画がなされている。
ファイザーは、セレコキシブの実際の心血管系リスクをより明らかにするために、この目的で特別にデザインされたある大規模無作為化試験に資金援助することを同意した。クリーブランドクリニックを中心に実施されるこの試験には、ハイリスク患者20,000例の組み入れが予定されている。セレコキシブと非選択的NSAIDsであるナプロキセンおよびイブプロフェンの比較検討が行われる[29]。患者は全員関節炎に罹患しているため、プラセボ群を置くことは倫理的に困難である。本試験は現在進行形であり、試験の完了は2014年5月以降と計画されている。最終的には、この臨床試験がセレコックスの心血管系リスクがナプロキセンやイブプロフェンよりも高いかどうかの答えを得る一助となるであろう。
  • セレコキシブの心血管系リスクに関して、Trelleらは31件の無作為化大規模試験のメタアナリシスで、従来のNSAIDsと比較した。これによると、心筋梗塞脳卒中、心血管死、死亡、APTCエンドポイントといった心血管イベント発現をセレコキシブと従来のNSAIDsと比較したところ、セレコキシブは、イブプロフェンおよびジクロフェナクに対して、相対リスクで同程度か、わずかながら優勢な成績を示した[30]
  • 日本国内においては、Sakamotoらが重篤な心血管イベントの発現率をセレコキシブの国内臨床試験12試験の複合解析でみたところ、重篤な心血管イベントの発現率はセレコキシブ群で0.1%、ロキソプロフェン群で0.3%であり、有意差はなかった。その他の心血管イベントとしては、セレコキシブ群では脳血管障害で1件、血栓症が1件認められた一方、ロキソプロフェン群では心不全狭心症心筋虚血心筋梗塞脳出血で各1件ずつ認められ、わずかながら有意差(p<0.0442)をもってセレコキシブ群に心血管イベントの発現率が低かったことが示された[31]

腎への影響[編集]

腎において、プロスタグランジンは腎血流量や腎糸球体濾過率(GFR)の調節に関わっており、NSAIDs服用によるCOX阻害によるプロスタグランジンの産生抑制によって、腎血流量やGFRの低下、浮腫を招くことが知られている。腎保護作用のあるCOX-1を阻害しないCOX-2選択的阻害薬は従来のNSAIDsに比べ、腎への影響は小さいといわれてきた。しかし、近年、腎においてはCOX-2も構成型であることが明らかになってきたため、COX-2選択的阻害剤も従来のNSAIDsと有意差はない、という意見が定着しつつある。 37件の無作為化二重盲検比較試験メタアナリシスにおいて、セレコキシブは、コントロールと比較して、腎関連イベント、高血圧、腎機能低下発現の相対リスクでやや優勢な結果が出されている。しかし、末梢の浮腫に関しては、同程度であることが示されている[32]

薬理[編集]

セレコキシブはCOX-2選択的阻害薬であり、主としてシクロオキシゲナーゼのこのアイソザイムを阻害し、プロスタグランジンの産生を阻害する。一方、非選択的NSAIDsは、COX-1とCOX-2の両方を阻害する。COX-1は従来、構成型の「ハウスキーピング」酵素と定義され、血小板で発現する唯一のアイソザイムであり、胃粘膜保護、腎臓のホメオダイナミクス、血小板血栓形成の役割に関わっている[8]。一方、COX-2は、炎症に関与する細胞として広範囲に発現し、細菌リポ多糖サイトカイン、成長因子、腫瘍促進因子などの刺激により増大する[33]。セレコキシブはCOX-1と比較してCOX-2阻害の選択性がおよそ10~20倍も高く[33]、スルホンアミド基がCOX-2の親水性のサイドポケットに結合する[34]。以上のことから、理論的には、セレコキシブなどのCOX-2阻害剤は、この選択性によって炎症や疼痛を軽減させるのみならず、非選択的NSAIDsに共通してみられる消化管の有害事象(消化性潰瘍等)が最小限に抑えられる。
セレコキシブはCOX-1に影響することなくCOX-2を阻害する。COX-1は、プロスタグランジンの合成や血栓形成に関与しているが、COX-2はプロスタグランジンの合成のみに関与する。そのため、COX-2を阻害したとしてもトロンボキサン(TXA2)には影響がなくプロスタグランジンの合成のみが阻害され、非選択的NSAIDsのように心保護作用は発揮されない。

医薬品化学[編集]

Synthesis of celecoxib.gif

合成[編集]

セレコキシブの合成は、1997年にサールリサーチ・アンド・ディベロップメント社の研究チームにより初めて報告された。セレコキシブの合成法は、以下のとおりである。まず、強塩基のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを触媒としたアセトフェノンとN-(トリフルオロアセチル)イミダゾールのクライゼン縮合反応により1,3-ジカルボニル付加体を生成する[34]。続いて、得られた付加体と(4-スルファモイルアフェニル)ヒドラジンの縮合により、1,5-ジアリルピラゾール部位が合成される。

構造活性相関[編集]

Monosubstituted 1,5-diarylpyrazoles.jpg
Enzyme data for monosubstituted 5-aryl analogs.jpg
Enzyme data for 4-substituted analogs.jpg
In vitro cox-I and cox-II enzyme data for disubstituted 5-aryl analogs.jpg
サール社の研究グループは、COX-2を十分に阻害するには適切に置換された2つの芳香環が中心環付近に位置していなければならないことを発見した。セレコキシブの構造活性相関を推定するにあたり1,5-ジアリルピラゾール部分にさまざまな修飾を施すことが可能である[35]。ピラゾール1位にあるパラ-スルファモイルフェニル基は、パラ-メトキシフェニル基よりもCOX-2を選択的に阻害することが分かった(Compound[化合物]1-3を参照)。さらに、COX-2を阻害するには4-(メチルスルフォニル)フェニル基か4-スルファモイルフェニル基が必要なことも知られている(Compound 2-4を参照)。例えば、これらのいずれかを–SO2NHCH3置換基に置きかえると、非常に高い50%阻害濃度が認められ、COX-2の阻害活性は減少する(Compound 5を参照)。また、トリフルオロメチル基やジフルオロメチル基が、ピラゾール3位に導入された場合、フルオロメチル基やメチル基よりも優れた選択性と阻害力を発揮する(Compound 6、7、8、9を参照)[35]
ピラゾールの4位は立体障害により大きく影響を受ける。すなわち、置換基のかさ高さが増大するほど阻害能は減少する。例えば、R1基の大きさをメチル基からプロピル基にまで徐々に拡大した場合、エチル基以上の大きさの置換基を有するとCOX-2阻害力が減少した(Compound 12、13、14を参照)。さらに、この位置にハロゲン原子を組み込むことでCOX-2阻害力が非常に大きくなる(Compound 15、16を参照)。ピラゾールの5位には芳香環が必要であることが知られているが、その柔軟性により、どういった修飾の組み合わせにより最大の阻害能と選択性が得られるかは不明であるため、この置換基の最適化は困難である。メタ部位(3-置換)と比較してパラ部位(4-置換)やオーソ部位(2-置換)での置換は力価が高くなることがわかっている(Compound 17、18、19を参照)。
これらの位置に-CN等の電子吸引基を有する場合は、COX-1およびCOX-2の阻害力が弱い。また、メトキシル等の電子供与基はCOX-1およびCOX-2のいずれも強力に阻害してしまうため、COX-2選択的阻害剤としては不十分である(Compound 20、21を参照)。パラ-メトキシ基の強力なCOX-1阻害力はα位でハロゲン原子を置換することにより軽減することができる。例えば、3-フルオロ基や3-クロロ基の導入によりCOX-1阻害作用がそれぞれ43倍および33倍減少する(Compound 22、23を参照)。5位の芳香環のパラ置換基により創出される立体障害を考慮することが必要である。パラ位のメチル化および4-エチル化によるCOX-2阻害力を考えた場合、メチル化した場合は50%阻害濃度が0.040μMでCOX-2を阻害することができるが、一方エチル化した場合では0.86μMであり、これはパラメチル置換基の阻害力が少なくとも20倍高いことを意味している(Compound 10、11を参照)。
Compound 10がセレコキシブである。COX-2の阻害にはピラゾール環の1位に4-スルファモイルフェニル基が必要であり、また、ピラゾール環5位の4-メチルフェニル基は阻害力を最大にするうえでの立体障害が低い一方、3位のトリフルオロメチルグループはより優れた選択性と阻害力を有する[35]。セレコキシブの選択性を説明するには、薬物分子とCOX-1およびCOX-2酵素の結合差の自由エネルギーを解析しなければならない。構造の最適化は、シクロオキシゲナーゼの523番目のサイドポケット部位(COX-1ではイソロイシン、COX-2ではバリン)への結合が重要であることを見出した[36]。この(523番目のアミノ酸の)変異は、セレコキシブ‐COX-1複合体を不安定化するようなスルホンアミド基の酸素とイソロイシンのメチル基の間の立体障害を作り出すことにより、COX-2選択性に寄与することが明らかとなった[36]。従って、COX-2選択的阻害剤は非選択的NSAIDsよりも立体構造がかさ高いと考えるのが妥当である。

歴史[編集]

セレコキシブは、G.D.サール社が開発し、セレブレックスの製品名でモンサント社(サール社の親会社)とファイザーが共同販売した。モンサント社はファルマシア社と合併し、ファイザーがファルマシア社から医療研究部門を買収したことで、権利はファイザーに移行した。
セレコキシブは、2004年にサール社(後にファイザー)の勝訴で解決した


大きな特許紛争の争点であった。ロチェスター大学とG.D.サール社(358 F.3d 916、Fed. Cir. 2004)の裁判で、ロチェスター大学は米国特許 No.6,048,850 (どの化合物かを開示していないヒトにおいてCOX-2を阻害するための方法特許)によりセレコキシブのような薬剤は保護されていると主張した。裁判所は、ロチェスター大学が主張しているのはCOX-2を阻害できる化合物を要する方法のことでありどの化合物かは記載されていないため特許は無効、サール社側に勝訴の判決が下った。

研究事例[編集]

癌予防[編集]

ある種の癌において、セレコキシブがその発生率を抑制する可能性については、多くの研究が行われてきた。しかし、心血管系のリスクを考慮し、癌の発生を軽減する目的でセレコキシブを使用することへの医学的推奨は今のところ行われていない。
アスピリンやセレコキシブ等のNSAIDsを服用している患者の場合、大腸癌リスクは明らかに減少する。さらにセレコキシブを含む特定のCOX-2阻害剤は、従来のNSAIDsと比較して癌抑制作用があり、毒性も低いことがいくつかの疫学研究や前臨床試験で指摘されている。12件の癌原性試験で、セレコキシブにラットやマウスの腸に対して癌発生の抑制作用があることが裏づけられた(Chemoprevention Databaseでデータの入手が可能)。非常にハイリスクな患者(家族性大腸腺腫症の家族歴あり)を対象とした小規模な臨床試験でも、セレコキシブがポリープの成長を抑制することが示されている。このため大規模無作為臨床試験が実施され、臨床成績が2006年8月にNew England Journal of Medicineで報告された[17]。試験では、セレコキシブを400~800mg/日投与した患者において、ポリープの再発が33~45%減少したことが示された。この試験におけるセレコキシブの心血管系イベントの頻度はプラセボと比べ高いことが認められた。しかし、その差に有意差はなかったことが示されている[18]

 

 

癌治療[編集]

 

癌の予防とは異なり、癌治療は患者の体内で既に形成され確立されている腫瘍を治療することが焦点となる。このような癌症状にセレコキシブが有用か否かを明らかにするために、現在多くの試験が実施されている[37]

しかし、研究室で行われる分子研究では、セレコキシブはその最も大きな標的であるCOX-2だけでなく他の細胞内構造物にも相互作用する可能性があることが明らかとなった。これらの追加的な標的の発見は多くの議論を巻き起こし、セレコキシブは主にCOX-2を阻害することで腫瘍の成長を抑制するという当初の仮説は議論が分かれることとなった[38]


確かに、COX-2の阻害はセレコキシブの抗炎症および鎮痛効果において最重要である。 だが、セレコキシブによるCOX-2の阻害が抗癌作用に大きな役割を果たしているかどうかは明らかでない。例えば、最近の悪性腫瘍細胞を用いたある研究では、セレコキシブはin vivoではこれらの細胞成長を抑制したがその際にCOX-2は何ら役割を果たさなかったことが示されている。

さらに驚くことに、COX-2が存在しない癌細胞種においてさえもセレコキシブの抗癌作用は得られたのである[39]
セレコキシブに化学修飾を行ったいくつかの研究から、同剤の抗癌作用にはCOX-2以外の標的が重要であるとする見解をさらに裏づけられるような結果が得られた。


化学構造をわずかに変えたセレコキシブの数十の類似体が生成された[40]。これらの中にはCOX-2阻害活性を維持しているものもあったが多くはそうではなかった。しかし、腫瘍細胞に対するこれら全ての化合物の効果を細胞培養により検討した結果、腫瘍抑制作用は化合物によるCOX-2の阻害とは関係がなく、抗癌作用にCOX-2の阻害は必要ないとの見解が示された[40][41]

たとえば、これらの化合物の一つである2,5-ジメチル-セレコキシブは、COX-2阻害力が完全に欠けていたにもかかわらず、実際はセレコキシブそのもの以上に強力な腫瘍抑制作用を発揮したのである[42]

 

癒着予防[編集]

セレコキシブは腹部内の癒着を予防する可能性がある。癒着は、特に腹部の手術等において多く見られる合併症であり、腸閉塞や不妊の主な原因となる。2005年には、ボストンの研究者たちがセレコキシブを投与したマウスでは手術後の癒着が「劇的に」減少したと報告したことが公表された[43]


参考文献[編集]

  • セレコックス添付文書
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関連項目[編集]