やっかいな病気 ①
◆ 膠原病
わかりにくい病気、やっかいな病気についてやさしく解説したいと思います。
膠原病というのは元々、結合組織(膠原繊維)とその周辺(血管)に起因する炎症性の疾患に付けられた総称でしたが、その枠をはずし、別個に扱うようになっています。自己免疫疾患というカテゴリー(分類)もあり、その代表例として述べられることもあります。
前ブログ(自己免疫疾患)で述べたように、関節リウマチや全身性エリテマトーデスが膠原病の代表例です。自己免疫疾患というのは、病気の発症原因に言及した表現です。ここでは関節リウマチについて解説します。
関節リウマチは免疫異常によって起こる非化膿性の多発性関節炎です。
関節の毛細血管内から関節組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球がでてきます。このリンパ球やマクロファージはサイトカインを産生し、それにより関節内に炎症反応がひきおこされ、関節の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起こり(この段階では滑膜炎)、やがて全身の結合組織に炎症を起こします。進行すると骨破壊が生じ、高度の関節変形をきたすことがあります。
最終的には関節が破壊し尽くされ、骨と骨が直接接した強直という状態になり、関節を動かすことはできなくなります。この段階では、滑膜が消失しているため、炎症も終息し痛みは感じなくなります。関節リウマチは、膠原病のなかで最も多い病気で、20~50歳の女性に好発します(女性は男性の約4倍)。
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