2013年1月6日日曜日

病原体 ⑥

◆ 毒素=トキシン



カンピロ、ビブリオ、サルモネラのような食中毒菌は、感染型の侵入をします。菌が腸内を荒らしまくる食中毒ですが、やがて静まります。怖いのは、細菌が出す毒素による食中毒です。毒素は外毒素と、内毒素に分けられます。ベロ毒素、エンテロトキシン、ボツリヌス毒素が重要な毒素です。


フグ毒のテトロドトキシンもフグの内臓に住み着いた細菌が作る毒素と考えられます。

 

 

O-157などの腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素という猛毒を出します。生肉や生ものが汚染された場合は、この毒素にやられます。毒素は、タンパクなので、加熱すれば変性しますし、菌も死にます。

 

 

黄色ブドウ球菌とボツリヌス菌も毒素を出して感染します。ブドウ球菌の毒素は耐熱性のエンテロトキシンを出します。ボツリヌス毒素は猛毒ですが、これを希釈して、医薬品として利用することもあります。毒を転じてくすりとなす、の良い例だと思います。



2013年1月5日土曜日

病原体 ⑤

◇ ビブリオ、カンピロ、サルモネラ




冬場の食中毒といえば、生ガキ などからくるノロウイルスがダントツですが、かつては 魚介類からの腸炎ビブリオが主流で、猛威を振るったものです。食生活が魚から肉へと変わるにつれて、主流になったのが カンピロバクター菌です。

ノロウイルス、ロタウイルス を除けば、今 日本ではカンピロの食中毒が数が多いと思います。それから、卵のなかにいる サルモネラ菌 です。


 

お正月は、色々なものを食べますが、生活も不規則になって、腸の免疫力、肝臓の解毒力がダウンします。それで、ウイルスや細菌感染にはまってしまうというプロセスが成り立ちます。食べ過ぎ、夜更かし、睡眠不足は生活習慣病の入り口のようなものです。




◇ 感染と免疫に関し間違っているものは どれか。

 

1. 土の中には病原体は存在しない。

2. 感染症は、患者や保菌者と接触しなければうつらない。

3. 感染していても発病しない状態を不顕性感染と呼ぶ。

4. ある種の感染症に対して、抵抗力を持った状態を 免疫という。

5. 病原体を保有していることを自覚せずに、健康者と同じに生活している人を健康保菌者という。

6. 健康保菌者は、感染源にならない。

7. 病後保菌者は、症状がなくても感染源となる。


(医療従事者は 病原体の感染経路として、空気感染や飛沫感染するものに注意が必要である。)









2013年1月4日金曜日

病原体 ④

◇ 紫外線



病原体の消毒(駆除)には、

理学的消毒法と 化学的消毒法があります。

理学的消毒では、物理的な手法 を用い、

化学的消毒では 薬品 を用います。

 

 

理学的消毒の代表が、

煮沸(加熱)と紫外線による殺菌消毒 である。

紫外線と赤外線は最も身近な電磁波であり、

非電離放射線と呼ばれます。


赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対し、

紫外線は化学的な作用が著しい。

このことから化学線とも呼ばれる。紫外線の有用な作用として殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、あるいは皮膚抵抗力の昂進(こうしん)などがある。

 

紫外線は、消毒法として重要であるばかりでなく、人をとりまく環境要因としても、重要である(物理的環境要因)




 

◇ 紫外線に関する記述のうち、間違っているものはどれか。

 

1. 紫外線は あらゆる微生物の消毒に有効である。

 

2. 紫外線は 皮膚や目に直接照射しても害はない。

 

3. 紫外線消毒では においが付かないという長所がある。

 

4. 紫外線消毒では、プラスチックの種類によっては劣化させることがある。

 

5. 最も殺菌力の強い波長は、253.7nm (UV-C)である。

 

6. 紫外線消毒では、85マイクロワット以上の紫外線を10分以上照射しなkればならない。








病原体 ③

◆ ノロとマイコ




昨年末から猛威をふるっている病原体が、

ノロウイルスとマイコプラズマです。

 

ノロウイルスもマイコプラズマも細菌より一段小さい病原体です。

細菌に効くくすりが効きません。最近の流行の原因の一つは、新種の出現で、これまでの薬剤が無効だったり、症状が重かったりします。

 

ノロウイルスは、接触感染が主な感染経路です。

ウイルスを含んだ汚物から空気中にでたウイルスが経口感染する場合もありますが、主たる感染ルートは糞便からの感染で、空気感染の確率は少ないと考えられます。

子供の多いのは、何でもさわり口に入れるからです。

 

ノロウイルスの消毒には、アルコール系消毒剤は無効です。塩素系消毒剤、あるいはヨウ素系のうがいぐすりが有効です。





◇ 次の感染症のうち 飛沫感染するものはどれか。

 

1.細菌性赤痢

2.コレラ

3.インフルエンザ

4.麻しん(はしか)

5.梅毒

6.エイズ



2013年1月3日木曜日

病原体 ②

◆ 細菌とウイルス



細菌とウイルスは病原体の仲間ですが、大きな違いがあります。地球上に初めに現れたのは細菌です。その細菌に寄生するウイルスがやがて出現しました。細菌(バクテリア)の研究は19世紀中ごろに飛躍的に進歩しました。



17世紀は物理、18世紀は化学、19世紀は生物に関する大きな発見がありました。


近代細菌学の父と呼ばれた、コッホ(ドイツ)とパスツール(フランス)の貢献が大きく、当時の日本からも多くの先駆者が留学しました。北里柴三郎、志賀潔、その他大勢います。文豪森鴎外もドイツ留学をしています。

この当時はまだウイルスの存在については知られていませんでした。細菌は約1マイクロメートル程度の大きさですが、ウイルスはさらにその100分の1程度の小ささです。従って、ウイルスが原因の感染症の原因については、はっきりと解明できませんでした。野口英世が格闘した黄熱病の原因もなかなかわかりませんでした。



 

◇ 次の病原体のうち、空気感染するものはどれか。

1. ヘリコバクター・ピロリ

2. 結核菌

3. ポリオウイルス

4. エイズウイルス

5. インフルエンザウイルス











病原体 ①

◆ もう一度 病原菌の復習:



最近のテレビ番組では、時代劇が減ってきました。

時代劇中で人が死ぬ場合は、

① 斬り合い ② 切腹 の次に ③病気 の順になっているようです。

しかし、病気も実際には多かったはずですが、時代劇のテーマにはならないようです。

高杉晋作や沖田総司、さらには文学者の多くは 肺結核 で血を吐き、若死にしましたが、その周辺には 結核の人はあまりいなかったように描かれています。

戦前に 女子短距離走で 世界記録を出した 人見絹江さんも
結核で 20代の若さで 亡くなりました。
ハードな練習、精神的プレッシャー そしてなんといっても
栄養不足(戦争の影響) は致命的でした。




堀辰雄の 風たちぬ は軽井沢の結核療養所(サナトリウム)での患者の生活が描かれています。

戦前のこの時代は、特効薬ストレプトマイシンがありませんでした。戦争は、医薬品不足を招いた一方で、抗菌剤や麻酔剤、整腸剤などのニ~ズは 高かったと思います。




◇ 次の病気(感染症)のうち、わが国において近年患者数が増加し最も多くなったものはどれか。

 

1.  狂犬病

2.  コレラ

3.  百日咳

4.  結核

5.  ポリオ

6.  日本脳炎



2013年1月1日火曜日

免疫事故 ④

◆ 免疫事故の原因は温度?



《 病気の原因 》 ****************

1. 感染による病気 (感染症)

2. 生活習慣による病気 (生活習慣病)

3. 加齢による病気 (老化、老衰)

4. 代謝調節の乱れによる病気 (内分泌疾患)

5. 免疫系の乱れによる病気 (免疫疾患)

6. 腫瘍の発生による病気 (悪性新生物)

7. 先天性の病気 (遺伝疾患)

8. 心因性の病気 (心身症)

9. 薬による病気 (薬物中毒

10. 放射線による病気

 

 

以前このブログで、病気の原因についてお話したことがありました。病気の原因として一般に認められていることは以下の1~8ようなことがあります。免疫の乱れはそれ自身で一つの病気の原因になりますが、実はすべての原因に、多少なりともかかわっているようにも考えることができます。


よく、風邪は万病の元といいます。

それは、風邪をひくと免疫系をフル稼働してしまうからです。特にインフルエンザでは、免疫に頼ることが必須ですが、その時は高温を伴います。熱を出してウイルスをやっつけようとしています。この時の高温が元で、脳症を引き起こすこともあります。以前問題にした日本脳炎ワクチン死では、ワクチン接種後に高温状態で脳症を引き起こしたと考えることができます。


 

温度は生命反応に影響を与える重要な因子です。

人の体温は大体37度Cくらいになっています。つまり、健康の指標=温度です。ここで、温度が下がった場合を考えてみましょう。体温が下がる、あるいは低温下にさらされると、人の生命反応(化学反応)は鈍くなります。この時、免疫機能も落ちていきます。わずかな温度のズレが、大きな免疫反応のズレになるということです。



単純な考えですが、免疫疾患のリスクファクターとして温度を重視したいと思います。
夏の暑いとき、冬の寒い時、あたりまえのように人が、バタバタと死ぬのは、免疫系の力がおちてくるからと考えたいと思います。


免疫が活発に正確に機能するには適した温度があるということです。
もし温度が上がりすぎたり(発熱)、下がりすぎたりすると、それは免疫のズレを引き起こし、不正確な抗体=いびつな抗体がたくさん作られます。



温度がどんどん下がって行き、絶対零度という温度になると大変です。
絶対零度では、すべての原子や分子がもはや動けなくなってしまう=止まってしまうからです。地球は水によって守られています。我々の体も水によって守られています。地球上で観測した最も高い温度は58度Cくらいですい、最低温度も-30度Cくらいです。地球は、一定な温度で守られています。



《 病気の原因 》 ****************

1. 感染による病気 (感染症)

2. 生活習慣による病気 (生活習慣病)

3. 加齢による病気 (老化、老衰)

4. 代謝調節の乱れによる病気 (内分泌疾患)

5. 免疫系の乱れによる病気 (免疫疾患)

6. 腫瘍の発生による病気 (悪性新生物)

7. 先天性の病気 (遺伝疾患)

8. 心因性の病気 (心身症)

9. 薬による病気 (薬物中毒; 薬害)

10. 放射線による病気