◆ 忍耐の 記録
患者学は患者を鍛え、
プラス思考の基になるヒントのような知識だと
私は 考えている。
そして それを書き始めている。
この病院は、私の患者学を実践するのに
よい病院だと思った。
網膜はく離の 手術までの二日間を 私は、
じっとしたまま ベットの上で
静かに過ごすことができ、
もはや 不安を感じなかった。
患者の仕事は、おそらく 窮屈で退屈な時間を
しっかりとがまんする ことです。
患者の技量は、実は、がまんの技量です。
がまんの達人になることです。
晩秋の夕陽のさす 窓際の病室で、
私は、自分が今患者学に興味を持っている事を
副看護婦長にも 話してみた。
患者学は、医療関係者が患者に接するための
職業技術として身につけるものではない。
患者が主体的に身に付ける、
最低レベルの医療知識であると話した。
副看護師長はにっこりとして、
もっと話を続けるように私に促した。
私は看護師さんに、患者学の解説をすることになった。
その要点は、単純明快である。
私は一患者として手術を受け、
この病院に身をゆだねることになる。
患者として知っておきたい 基礎知識や
行動指針を自分で作って、守っていきたいと考えている。
間違っていたら直してほしい。
患者として、勉強することは一生懸命に勉強するので、
どうか教えてほしい。
このように、患者が前向きに行動しないと、
医療効果は半減するものだ、と解説した。
副看護師長は納得し、そういう話は
看護師になってから聞いたことがある、と話してくれた。
看護師は患者を大事にするが、
それが患者を甘やかす事になることもあるから、
患者学はすごく助かる、と言うのが、
私の解説後の感想でした。
第二の医師の意見を聞くことで、
癌治療では必須項目だが、
精神科などではまだまだだと聞く。
眼科の場合はどうだろう。
網膜剥離の手術には三人の手(六本の腕)が必要で、
助手がうまい方が、手術がうまくいくそうである。
私は手術の前日までに、
担当の三人すべての医師から診察を受けた。
トリプルオピニオンである。
余計な無駄話も、心配もみんななくなった。
これがひょっとすると、
理想の医療かもしれないと初めて実感した
瞬間である。
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