2017年3月3日金曜日

雑居病棟にて。



2010年秋、植物状態の叔母を見舞い、
福島からスーパーひたちで帰ってきた私は左目が見えなくなっていた。



次の日、私の左眼は網膜剥離になっていたことがわかった。
かかりつけの眼科医は、直ちに一番近くで、
一番信頼できる病院を紹介した。

つける薬は無い、対応は一刻を争う緊急事態である。
紹介状を携え、日高病院を訪ね、
そのまま入院し安静を保った。

 
おだやかな秋の緊急入院だった。
幸いなことは快適な雑居病棟であることだった。
秋の陽と同じくらいやさしい同居人がいた。
 
 
同じ日に入院した糖尿病患者で、
白内障手術を受けにきた人、
大腸癌で人口肛門を付けた人が隣人である。
 
 
明るい部屋で、すぐに世間話が始まった。
特に糖尿の気が出ていた私は、その先輩患者から、
糖尿病と付き合う方法を教わった。
 
 
糖尿病に関するノウハウ本は山のようにあるが、
隣人の先達は明快に語った。
 
糖尿病はつまるところ食事だね、
その言葉通り、私の空腹時血糖は、制限食を始めてから、
あっという間に、正常値に落ちて行った。


 


私が入院した病院はすいていた。
その割に看護婦さんが多く、色々な話に気軽に、
且つ丁寧に答えてくれた。
自然と、宜しくお願いしますという気持ちになった。


医師からの話も簡潔であり、ポイントを得ていた。
配布資料も見やすかった。


眼病患者にはこれが一番ありがたい。
眼病患者は、究極の耳学問であり、
耳からの情報に頼るしかない。


紙の資料はうっとおしいのである


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