癌代謝シグナルの調節分子探索(1)
癌細胞の過剰な酸化・還元シグナルに対し、
適切な アクセプター(又はドナー) となりうる小分子探索は、
新たな癌化学療法の端緒を拓く。
即ち、過剰な酸化シグナルをクエンチする抗酸化物質と共に
還元シグナルをもコントロールする小分子の発掘も
重要なプロセ スと考えられる。
生体酸化シグナルである 活性酸素(ROS)や NO
に対し還元シグナルとなりうるものは H2S と CO である。
過剰なシグナル分子に対して関与できる
小分子(シグナル)を介在させることが できれば
直ちに癌細胞代謝の簡便な調節を可能にする。
還元シグナルである 水素原子(H・)に対し
直接的な反応性を有する有機小分子は、
適切な構造の不飽和結合化合物であり、
それらはさらに簡単なバイオアッセイや MO計算 により
ロジカルなアプローチと解析が可能である。
身近なラジカル反応性の高い化合物を
LUMO係数に注目して選別 すると いくつかの環状型ヘテロ環が
有望視された。
そこでそのようなものの中で
含窒素・含硫化合物について
MOアナリシスと癌細胞アッセイを行った結果について報告する。
含硫医薬品や類似の天然生理活性化合物は広く知られているが、
ラジカルアクセプターであり同時にドナーにもなるような 小分子の見極めは
十分ではない。以上の観点から 含硫医薬品の
ラジカルドナー活性に注目したシグナル調節物質の 探索を開始した。
さらに、リファインして頂きますように。
世路志久。
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