2014年10月27日月曜日

癌代謝を調節するラジカル・ドナー分子の探索



癌細胞の過剰な酸化・還元シグナルに対し、
適切な アクセプター(又はドナー) となりうる小分子探索は、
新たな癌化学療法の端緒を拓く。

即ち、癌細胞の酸化シグナルをクエンチする
抗酸化物質の活用と共に 
還元シグナルをコントロールする小分子の発掘もまた
重要な道標である。

生体酸化シグナルである 活性酸素(ROS)や NO に対し
還元シグナルとなりうるものは H2S と CO である。
生体にとって 有毒なこれらシグナル分子を
癌細胞代謝の近傍で介在させることができれば
直ちに癌細胞代謝の簡便な調節を
可能にする 一手法となる。

生体の還元シグナルである 水素原子(H・)に対し
直接的な反応性を有する有機小分子は、適切な構造の
不飽和結合化合物であり、それらはさらに
簡単なバイオアッセイや MO計算により
詳細なアプローチと解析が 可能である。

身近なラジカル反応性の高い化合物を
LUMO係数に注目して選別すると 
いくつかの環状型ヘテロ環が 有望視された。

そこでそのようなものの中で 
含硫化合物について MOアナリシスと
癌細胞アッセイを行った結果について
報告する。




含硫医薬品や類似の天然生理活性化合物は
広く知られていたが、ラジカルアクセプターであり
同時にドナーにもなるような 小分子の見極めは
十分ではない。

以上の観点から 含硫医薬品の
ラジカルドナー活性に注目した
シグナル調節物質の 探索を開始した。











 

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