2012年9月17日月曜日

患者学のすすめ ②

◆ 主語は患者


 病気はじわじわやってきたり、ある日突然やってきたりします。やはり明日は我が身と言えます。患者になった時には、戸惑わない知識を身につけておくことが重要で「患者を生きる」ヒントが必要です。


 患者目線で見た病気の知識や対応法は、医師の冷たい診断言葉を和らげる力になるものです。このような知識をまとめたものが「患者学」で患者に力を付けるのが患者学です。患者として勉強しておくこと、病気に立ち向かう知識を付けること、つまりは医師任せにしない医療の受け方が、患者学の原点です。


患者を大事にするという場合の主語は、医師や看護師、薬剤師ですが、患者学では、患者自身が主語です。従って、患者を鍛える学問と言えます。即ち、患者目線で学び、前向きに病気と向かう指針や心構えを体得するヒントが、患者学の入口ということになります。

 

患者学のめざすところは、Patient -oriented Medical Care ではなく、What Patient must Do With Doctorsということになります。

 

(患者学のすすめ ③ に続く)

患者学のすすめ ①

◆ 患者を生きる

 

日本人の2人に1人はがんになると言われ、3人に1人はがんで死ぬと言われています。

 

生活習慣病になるともう10人のうち、6,7人が患者になってしまいます。

長寿社会の今日、患者として生きるということは誰でも経験することです。

 

患者としての体験から得られる医療知識は大変役に立つものがあります。朝日新聞には「患者を生きる」というコラムがあります。読売新聞でも「医療ルネッサンス」というコラムがあり、最新情報に触れることができます。次から次に話題がつきないというのも面白いと思います。

 

医療関係の皆さんは、こういう記事は必ず読まれている事と思います。それは、患者さんを知りたい、助けたいという気持ちからだと思います。

 

ここに紹介する「患者学のすすめ」は弱い患者さんを手助けしようとする指針ではありません。患者よ甘えないで強くなれ、おもいきりアクテイブな患者になろう、そうしないと治らないぞ、というエールのこもったメッセージです。そして、主語は患者です。

 

(患者学のすすめ ② に続く)