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メトホルミンが尿中への塩分排泄量を増加!!
研究は、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎臓内科学分野の蘇原映誠准教授、橋本博子氏らの研究グループによるもので、国際科学誌「Metabolism」に発表された。
古くより使用されてきた糖尿病治療薬である
メトホルミンは、血糖降下作用効果の他にも、抗老化や
抗がん作用などさまざまな効果をもつことから注目されている。
最近の研究で、メトホルミンが糖尿病でない患者に対して
血圧を低下させる効果があると報告されているが、
腎臓におけるメトホルミンの血圧調節作用やそのメカニズムは
不明だった。
研究グループは今回の研究で、
メトホルミンの投与によって、マウスの尿中への塩分排泄量
が増加することを明らかにした。
続いて腎臓の塩分輸送体を調べ、
腎臓の遠位尿細管にある「ナトリウム-クロライド共輸送体」(NCC)
のリン酸化が低下しており、NCCの活性化が低下するために
尿中への塩分排泄が増加していることを突き止めた。
★ メタボリックシンドロームなどへ活用に期待 ★
さらに、メトホルミンによるNCCのリン酸化の低下が、
ホルモンや神経など全身性の調節を介したものである
ことを除外するため、単離した腎臓による検討を行った。
その結果、マウスでの実験と同様にNCCのリン酸化の低下を認め、
メトホルミンが NCCのリン酸化を直接的に抑制することが示された。
今回の研究で、
メトホルミンがNCCのリン酸化の抑制!によって
塩分排泄の増加をもたらすことが初めて明らかとなり、
メトホルミンによる降圧作用のメカニズムのひとつが
明らかになった。
近年、過食によって増加する、高血圧を有した
メタボリックシンドロームなどへのメトホルミンの活用
などが期待されるという。
この研究は文部科学省科学研究費補助金、
公益法人ソルトサイエンス研究財団、
公益財団法人武田科学振興財団、
公益財団法人万有生命科学振興国際交流財団
の支援のもとで行われた。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎臓内科学分野
Metformin increases urinary sodium excretion by reducing phosphorylation of the sodium-chloride cotransporter(Metabolism 2018年3月3日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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